デニス・スミスJr.

写真=Getty Images

2017年のドラフト8位&9位デュオ結成

クリスタプス・ポルジンギスらとの大型トレードにより、マーベリックスからニックスに移籍した2年目のデニス・スミスJr.が、2月3日、本拠地マディソン・スクエア・ガーデンで行われたグリズリーズ戦でデビューを果たした。

先発出場したスミスJr.は、8得点3リバウンド6アシストを記録。試合後の会見で「ここにいられて感謝している。運命だったと思う」と語ったスミスJr.は、新天地での意気込みを次のように続けた。

「自分にとって成長する機会になると確信している。これまでとは状況が全く異なる。自分の年齢に近い選手も多くて、みんな力を証明しようとしている。毎試合で全員で戦えれば、一緒に成長できる。(ニックス指揮官のデイビッド)フィズデイルのことは、グリズリーズのヘッドコーチ時代から知っていて、僕は彼のファン。だから、これは自分にとっても大きなチャンス。それを生かさないといけない」

そのフィズデイルは、スミスJr.に自由を与えたいと、トレード成立後に話した。

「彼の手にボールを預けて、オープンなコートで、彼にスペースを与えたい。ミスをしても構わない。それと同時に、彼には以前より守備でも貢献してもらいたい。これまでより守備について考えてもらいたい。ただ、彼の才能は本物だ。それを安定して発揮してもらいたいと考えている」

またフィズデイルは、鼠蹊部の負傷で欠場中のフランク・二リキナとスミスJr.をバックコートで組ませるプランを示唆した。「フランクはサイズのある選手と対峙しても守れる。それに彼は、ボールの保持に関係なくプレーできる」

2017年のドラフトで全体9位でマブスから指名されたスミスJr.の獲得は、ニューヨークのファンも望んでいたのではないだろうか。ニックスは同年の8位指名権を保持していたのだが、当時の球団社長だったフィル・ジャクソンがニリキナの指名を決断。ニリキナは、上位指名に見合うだけのポテンシャルを1年目に示したものの、スミスJr.を指名すべきだったのでは、という声も根強かった。

紆余曲折を経て、チームメートになった2人が揃って試合に出場する時期は未定だが、このオフに大物フリーエージェント選手を2人獲得できるだけのキャップスペースを確保したニックスにとって、新司令塔であるスミスJr.の成長は再建に欠かせない。今シーズン後半戦では、水を得た魚のように躍動してもらいたい。