ビクター・ウェンバニャマ

試合前日はサンタに変身、子供たちにプレゼントを贈る

残り2分を切って126-109。勝利を確実なものとしたスパーズは、主力をベンチに戻す。36得点とエースの働きを見せたデビン・バッセル、11得点8リバウンドとファイトしたジェレミー・ソーハン、そして13得点15リバウンドの『スパーズの希望』ビクター・ウェンバニャマが仲間たちと健闘を称える姿に、フロスト・バンク・センターに詰め掛けたスパーズファンはスタンディングオベーションを送った。

最終スコアは129-115。スパーズがレイカーズを相手に完璧な勝利を収め、連敗を18で止めた瞬間にもファンはスタンディングオベーションで選手たちを称えた。「勝つのは良い気分だね」と、現地11月2日以来となる勝利にウェンバニャマは満足そうだった。「僕たちはこの雰囲気が大好きなんだ。これからも何度だってやりたい」

レイカーズはフル回転を続けてきたアンソニー・デイビスが股関節の痛みで欠場し、ディアンジェロ・ラッセルとキャム・レディッシュも欠いた。それでもレブロン・ジェームズが復帰し、23得点7リバウンド14アシストを記録。八村塁はベンチスタートながら先発と遜色ない34分のプレータイムを得て、20得点5リバウンド4アシストと気を吐いた。

前半で25点ものビハインドを背負ったレイカーズは、ゾーンディフェンスでスパーズの勢いを止め、レブロン相手に奮闘していたソーハンがファウルトラブルに陥ると、レブロンがオフェンスでやりたい放題となって猛反撃に出た。7点差と射程圏内にとらえて前半を終えたが、スパーズはハーフタイムに対策を講じた。ソーハンが再びレブロンを止め、バッセルとザック・コリンズが強引にアタックしてフリースローを得ることで得点も再び動き出す。

複数の主力を欠くレイカーズは勝負をあきらめるのが早く、20点差の残り5分半にはレブロンや八村をベンチに下げている。この1勝に執念を燃やすグレッグ・ポポビッチは、その後も主力をプレーさせ続けた。

ウェンバニャマは7試合連続のダブル・ダブルを記録。ハイライトに残るような派手なプレーは少なかったが、常に正しいプレーを選択し、堅実にチームに貢献し続けた。レブロン・ジェームズとは初めての対戦だったが、「何かしらの感情が生まれるだろうと思っていたけど、勝つために、正しいプレーをするために集中していたから、何も感じなかった」とその感想を語る。

彼が考えるのはチームの勝利だけ。「連敗をもっと早く止めるべきだったし、止められたと思うけど、僕たちはあきらめなかった。誰もそんな態度を取らず、戦い続けた。僕はこのチームのそういう姿勢が気に入っているよ」

試合前日には、チームのイベントでサンタクロースに扮し、チームメートのジュリアン・シャンペニーとともにファンの子供にプレゼントを贈り届けている。「愉快な経験だったよ。ほんの数分のことだからバスケに影響はない。2人である家に行き、もう一軒別のところに行って、小さな子供たちが大喜びしている様子を見ることができた。僕が行動することでみんなを幸せにできれば、僕もうれしい気分になれる」

子供たちにはプレゼントを。スパーズのファンには素晴らしいバスケットボールと勝利を。ウェンバニャマはNBAでの生活を存分に楽しめているようだ。