「正直に言って、渡されたのがゲームボールなのか、確信は持てないよ」
バックスのヤニス・アデトクンボが現地13日に行われたホームのペイサーズ戦でチーム新記録となる64得点をマーク。140-126での勝利に導き、先日のインシーズントーナメント準決勝で敗れた雪辱を果たした。
本日のアデトクンボはフィールドゴール28本中20本成功、フリースローも32本中24本成功とタッチが良く、完全に試合を支配した。これまでのバックスの最多得点記録は、名シューターとして活躍したマイケル・レッドが2006年に記録した57得点だった。
試合後、コート内で行われたインタビューでアデトクンボは、「勝つことができてとてもハッピーだよ。インディアナはとても素晴らしいチームだ」と、自身の記録ではなく難敵のペイサーズに勝てたことを強調する。「彼らにはインシーズントーナメントを含めて2回敗れていた。とても速いチームで、僕たちにとって彼らの試合はチャレンジなんだ。良いディフェンスができて、可能な限り彼らを止めることができた」
そして、自身のプレーについて、ここに来てようやく調子が上がってきたと話した。「僕は毎試合、成長して自信を深めることを目指している。夏に(膝の)手術を行ったことで自信が持てず、自分のリズムをつかめずに初めてシーズンを迎えた。ただ、ここ数試合はリズムに乗れてきている。チームメートは僕が良いオフェンスをできるようにパスをくれる。そして、もっと良い習慣を作り上げて、このまま良いプレーを継続できるようにしたい」
アデトクンボの大活躍でこのまま終了となるところだったが、試合後に騒動が起きた。この試合で使われたボールをペイサーズ側が持ち去ったと勘違いしたアデトクンボが、ペイサーズのロッカールームに向かった。その後コートへ戻り、クリス・ミドルトンやデイミアン・リラードと話していたペイサーズのタイリース・ハリバートンに詰め寄るなど後味の悪い終わり方となった。
この件についてペイサーズのリック・カーライルヘッドコーチは、次のように釈明する「ゲームボールについては誤解がある。オスカー・シブエのNBA初得点だった。私たちは常にキャリア初得点を挙げた選手にボールを渡している。私たちはヤニスの記録について認識していなかった。不幸な状況だった」
ただ、ペイサーズ側から渡されたボールについて、アデトクンボは実際に試合で使われたものではなかったと主張した。「これがゲームボールかは分からない。ゲームボールではなく新しいボールに感じる。今日のボールがどんな感触だったかは分かるさ。母に渡すつもりだったけど大丈夫。そうやって人生は続いていくものさ。この件についてこれ以上コメントするつもりはない。ただ、正直に言って、渡されたのがゲームボールなのか、確信は持てないよ」
一方、カーライルヘッドコーチは、試合のセキュリティーがゲームボールを持っており、ぺイサーズ側も予備のボールしか持っていなかったと語っている。このやりとり以外にも、試合中にはペイサーズのアーロン・ネスミスがアデトクンボにタックルをするようなハードファウルを行って揉み合いとなり、ネスミスに対して手を出したボビー・ポーティスが退場処分となる出来事もあった。今後、両チームの戦いがよりヒートアップしていく、伏線が張られる一戦となった。