スタメン変更も功を奏さず、スパーズは16連敗
ピストンズは2勝20敗でリーグ最下位に沈んでいる。開幕2試合目と3試合目に連勝を挙げたのを最後に6週間で19連敗。それに次ぐ16連敗を喫しているのがスパーズだ。注目のルーキー、ビクター・ウェンバニャマを擁して開幕から3勝2敗と勝ち越したが、その後は連敗が続いている。
現地12月8日のブルズ戦では先発センターのザック・コリンズをベンチに回し、パワーフォワードでプレーしていたウェンバニャマを初めてセンターで起用した。スペースが増えたことでウェンバニャマは21得点20リバウンド4アシスト4ブロックの大活躍を見せたが、チームとしてはリバウンド力が落ちてブルズに24本のオフェンスリバウンドを与えてしまった。最大13点のリードを第3クォーターに失い、第4クォーターに粘って接戦に持ち込むも、今回もクラッチタイムの勝負弱さを露呈し、112-121で敗れた。
ウェンバニャマによる19歳338日での20得点20リバウンドは、2005年のドワイト・ハワードの記録を4日間縮めるNBA史上最年少記録であり、長らくハワード一人だけだった『10代での20得点20リバウンド』を達成した2人目となった。しかし、ウェンバニャマは記録達成について問われても「負けてしまったら意味はないさ」と笑顔なく答えた。
グレッグ・ポポビッチは「オフェンスリバウンド24本は今まで聞いたことがない。余計なポゼッションを相手に与えてしまった」と語る。「ビクターの1ビッグが問題なわけじゃない。ペリメーターの選手たちはただ通り過ぎるだけ。みんな経験を積んで成長しているが、基本を忘れてはならない。それはリバウンドだ」
そして、かつてのエースだったデマー・デローザンが、勝つために必要な終盤の勝負強さのお手本を見せた。デローザンはジェレミー・ソーハンの守備に苦しみ、前半はフィールドゴール10本中1本成功の5得点と絶不調。ところが後半にはソーハンの守備にアジャストして15得点を挙げ、6アシストを記録してターンオーバーはなかった。
『終盤の勝負強さ』が具体的に何なのかを把握することは難しいが、それは確かに存在する。古巣の弱点についてデローザンは「それを得るには時間がかかるものさ」と答える。厳しい敗戦から教訓を得ることの積み重ねでしか、それは身に着かないと彼は言うが、「でも、今のスパーズにはそれ以外のすべてがある」と古巣にエールを送った。
デローザンがフリーエージェントになった時、スパーズが彼を呼び戻すことに成功すれば、積み重ねた教訓が一気に手に入る。ただ、今のスパーズはベテランの力を借りるのではなく、若手が試行錯誤しながら教訓を一つひとつ得ていく段階にある。それを理解するウェンバニャマはこう語った。「ゲームの様々な側面を経験して学ぶことは、僕にとって重要であり、興味深いことなんだ。毎試合でいろんなことを試している。良い方法を見いだすまで続けるつもりだよ」