カイリー・アービング

「決してあきらめない、そして恐れない」

レイカーズvsマーベリックスは劇的な最後を迎えた。2日連続の試合でエネルギー不足のレイカーズをマブスが押し込み、最大20点のリードを奪うも、71-91で始まった第4クォーターにレイカーズが猛反撃を見せる。ルカ・ドンチッチのフリースロー2本以降は5分近く失点を許さないレイカーズが16-2のランで追い上げ、レブロン・ジェームズの連続得点で1ポゼッション差に迫る。

残り2分を切ったところでオースティン・リーブスのフローターが決まり、さらに残り1分16秒にリーブスがタフショットを強いられるも、これがリングに弾かれた瞬間に、飛び込んできたレブロンがタップで押し込んで101-99と逆転に成功した。直後のディフェンスではドンチッチを抑え込んでタフショットを強いる。レイカーズのファンは総立ちで勝利の瞬間を待っていた。

しかし、まだ一波乱あった。残り30秒からのマブスの攻め、ドンチッチがドライブで相手を引き付けてキックアウトのパスを送る。待ち構えるのはカイリー・アービング。ドンチッチに寄っていたリーブスが慌てて戻るも、それではアービングへのプレッシャーは足りなかった。アービングは落ち着いてキャッチ&シュートを沈め、残り21秒で102-101と再びのリードをマブスにもたらす。結果、104-101でマブスが勝利している。

マブスは第3クォーター途中にデレック・ライブリー二世がアリウープを狙った際に相手選手との接触でバランスを崩し、腰からコートに落ちてプレーを続けられなくなった。ルーキーでありながら高いリムプロテクト能力を持つライブリー二世が抜けたことでレイカーズに試合の流れが傾いたが、土壇場でドンチッチとカイリーのコンビが大仕事をやってのけた。

カイリーは試合後に「決してあきらめない、そして恐れない姿勢が良かった」とコメントしている。

マブスを率いるジェイソン・キッドは「ウチにはルカとカイ(アービング)という2人の司令塔がいる。ほとんどの試合で彼らはダブルチームで守られる。今回はルカがダブルチームを受け、カイにパスを送った。カイは慌てることなくキャッチ&シュートでビッグショットを決めてくれた。信頼できるコンビだ」と語る。

ただ、2人だけで試合に勝てるわけではない。ゲームウィナーを決めたアービングに続くもう一人の勝利の立役者は、控えセンターのリショーン・ホームズだ。キングスから移籍してきた今シーズン、ここまでプレータイムがほとんどなかった彼は、ライブリー二世のケガを受けて投入されると特にディフェンス面でハッスルプレーを連発し、10リバウンドを記録。レイカーズに猛追を浴びる苦しい時間帯に身体を張って抗った。ドンチッチは笑顔でこう語った。「ホームズには夕食をオゴるよ!」