フォックス&サボニスに次ぐ中心選手としてラビーン、シアカム、アヌノビーらが候補に

キングスは昨シーズンに2006年以来のプレーオフ進出を果たした。そして今シーズンもここまで勝率5割以上をキープするなど、強豪チームへの階段を順調に登っているた。エースのディアロン・フォックスは課題とされていた3ポイントシュートを向上させスコアラーとしてのすごみを増し、彼と並ぶ2枚看板のドマンタス・サボニスもリーグ屈指の万能センターとして、安定したパフォーマンスを見せている。

フォックス、サボニスとチームの柱はしっかりしているキングスだが、一方で優勝を狙うためには2人に続く個の打開力を備えたトップ選手を獲得したいところだろう。現地21日終了時点で8勝5敗のキングスは、フォックスが10月末から5試合を欠場した期間は2勝3敗で、さらにフォックスが精彩を欠いた20日のペリカンズ戦には93-129と大敗している。フォックスへの依存度が高い今の状況が続けば、レギュラーシーズンで好成績を残せても、最も大事なプレーオフで彼のコンディションを万全に持っていくことは難しく、プレーオフ1回戦で敗れた昨シーズンの二の舞となってしまう可能性も否めない。

ただ、キングスの本拠地サクラメントはカリフォルニア州の州都とはいえ、レイカーズやクリッパーズの地元ロサンゼルス、ウォリアーズの地元ベイエリアとは違い、スモールマーケットで露出も少ない。さらに長期にわたる低迷もあり、長らく大物選手がフリーエージェントやトレードで加入したことはない。だが、競争力のあるロスターとなり、優勝候補という大きな付加価値によってトップ選手たちにとって魅力的な行き先となった。こうした経緯もあり、『The Athletic』のシャムス・カラニアは、キングスがブルズのザック・ラビーン、ラプターズのパスカル・シアカムやOG・アヌノビーといったトレードの噂が挙がる大物獲得へ積極的に動くと見解を述べている。

キングスが最後にトレードで獲得したスター選手といえば、1998年のクリス・ウェバーだ。ウェバー加入後のキングスはペジャ・ストヤコビッチ、マイク・ビビー、ブラデ・ディバッツ、ダグ・クリスティーといった個性豊かな面々による破壊力満点のバスケットボールを構築し、2002年にカンファレンスファイナル進出など一時代を築いた。ここからトレード市場で新たなスター選手を獲得できれば、2000年代前半の再来がより期待できる陣容になる。