『ツジーカス』大活躍の川崎ブレイブサンダース、新潟との地区首位決戦に競り勝つ

2019/01/31
Bリーグ&国内
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川崎ブレイブサンダース

文・写真=鈴木栄一

辻とファジーカス、取るべきコンビが46得点の荒稼ぎ

1月30日、中地区の1位と2位の対戦となった川崎ブレイブサンダースvs新潟アルビレックスBB。序盤から僅差で推移する激闘となる中、ニック・ファジーカスと辻直人の『ツジーカス』で3ポイントシュート7本を含む46得点を挙げた川崎が、30得点を挙げたダバンテ・ガードナーを軸に食い下がる新潟を71−66で振り切った。この結果、新潟と川崎のゲーム差は3に縮まっている。

川崎は肩の故障から復帰した辻が11月23日以来となる先発出場を果たすと、開始早々に得意の3ポイントシュートを決める。さらにファジーカスが3ポイントシュート2本成功と外角から効果的に得点。先週の栃木ブレックス戦ではフットワークに優れたライアン・ロシターの密着マークに苦しめられたファジーカスだが、新潟のガードナー、ラモント・ハミルトンの両外国籍がともに巨漢のパワータイプでアウトサイドまで張り付くのが難しいことを利用し、残り約3分半で21−11と先手を取る。

しかし、ここから新潟はガードナーのバスケット・カウント、さらに五十嵐圭が川崎のミスを突く3ポイントシュートと3点差にまで追い上げる。第2クォーターに入ると新潟はゴール下の守備を固めてバーノン・マクリンに7分半でシュート1本しか打たせない。川崎の外からのシュートが決まらなくなると、逆に新潟はガードナー、ハミルトンとインサイドで高確率のシュートを沈める。この結果、一気に38-33と新潟が逆転して前半を終えた。

それでも第3クォーター、庄司和広ヘッドコーチが「いくつか注意しなければいけないところでやられました。第1クォーター、第3クォーターの出だしでつまずいてしまった」と試合後に悔いたように、新潟は後半にも入りに失敗。川崎は新潟ディフェンスの緩みを逃さず、内と外からバランス良く得点。このクォーターで22-8と圧倒した川崎が55−46と再逆転に成功する。

そして勝負の第4クォーター、新潟も地区首位の力を見せ、ガードナー、柏木真介らの得点で追い上げる。しかし、川崎は3点リードで迎えた残り4分からファジーカス、辻の連続バスケット・カウントで突き放す。その後、新潟も川崎のターンオーバーに付け込み残り40秒に再び3点差にまで迫るが、ここで川崎はマクリンが得意のインサイドアタックから値千金のバスケット・カウント。これがとどめとなり、川崎が熱戦を制した。

ダバンテ・ガードナー

ボールムーブを許さず「ディフェンスを評価したい」

川崎の北卓也ヘッドコーチは「66失点に抑えたディフェンスを評価したい」と勝因を語る。ただ、「最後は5点差でしたけど、もう少し余裕のある展開にできました」と不満ものぞかせ、中でも司令塔のゲームコントロールに苦言を呈している。「第1クォーター、第2クォーターの最後、第4クォーターの終盤とターンオーバーを喫し、シュートで終われていない。ポイントガードの責任になると思いますが、クォーターの最後は相手にポゼッションを与えないようにしないといけないのに、イケイケドンドンで攻めて相手にボールを与えてしまう。こういうところがコントロールできてこないと、もっと良いチームになっていかない」

ちなみに守備の良かった点は、次のように語る。「新潟さんの良い時はガードナー選手が起点を作って、そこからインサイドアウトで五十嵐選手、柏木選手にハミルトン選手、池田(雄一)選手が外から決めて勝ちきっています。今日は3ポイントシュートの成功率が18%と入っていませんでした。キックアウトのシュートがタフショットだったのか、ただ外れたのかは映像を見ないとわかりませんが、ヘルプの寄せは良かったと思います。特に長谷川(技)が良いヘルプをしてくれていたと思います」

さらに指揮官は、「ガードナー選手には30点を取られましたけど、バーノン(マクリン)がタフショットを打たせていました。ボールムーブで前半は守備を崩されましたが、後半は修正できて良かったです」と続けている。

このボールムーブについては、新潟の庄司ヘッドコーチも「ボールをしっかり動かせなかった。各選手の良いところをうまく引き出せず、川崎さんにうまく消されてしまいました」と言及。パスがスムーズに回らなかったこともあって、得点を挙げたのがガードナー、ハミルトン、柏木、五十嵐の4人のみと単発になり「そこが勝てなかった理由です」振り返っている。

五十嵐圭

「コートに入れば結果が全て」と若手の台頭を求める

課題である攻撃のオプションの少なさを改めて露呈した新潟だが、中でも森井健太、渡辺竜之佑の若手2人は、得点を取りに行くのが役割でないにしても2人合わせて約33分の出場で放ったシュート自体が1本のみと、消極的だったと言わざるを得ない。

新潟が過去2シーズン届かなかったチャンピオンシップ出場を勝ち取るには、ガードナー、ハミルトン、五十嵐、柏木のカルテットに続く存在の底上げが不可欠であり、若手のステップアップに期待したいところ。チームリーダーの五十嵐は、「コートに入れば若手もベテランも関係なく結果が全てです。若手もコートに入る時には自分が得意なプレーを出して、チームに還元してほしい」とエールを送り、指揮官も「川崎さん相手で若手の起用がちょっと短くなってしまいました。次回、当たる時までにしっかり成長させたい」と若手の飛躍の重要性を語る。

驚くべきことに今回が今シーズン初対決となった両チームは、まだ5回も対戦が残っている。次に両者が激突する3月16日までに、どちらがここで触れた課題をより修正できているか。それが中地区の順位争いを決める鍵になりそうだ。