残り6秒、カワイのパスを受けて4点プレーを決める
クリッパーズは現地11月17日のロケッツ戦に勝利した。開幕直後のトレードで加入して以来、ようやく初勝利を挙げたジェームズ・ハーデンは「かなり長くかかったけど、初めての勝利を挙げられて良かった。この1勝は今後に続く糧にすべきもので、まだ改善すべき点はたくさんある。それでも勝てばやっぱりチームが良い方向に進んでいると感じられるよ」と語った。
クリッパーズは6連敗中で、前回の敗戦後にラッセル・ウェストブルックがヘッドコーチに自分をベンチスタートで起用するよう提案。カワイ・レナード、ポール・ジョージを含めた『ビッグ4』の同時起用にこだわっていたタロン・ルーはこれを受け入れ、ハーデンとウェストブルックが交互にプレーメークするよう起用法を変えた。
試合は、開幕から好調のロケッツとクリッパーズに交互に流れが行き来する接戦に。第4クォーター終盤、アルペラン・シェングンが力強いアタックと冷静にパスをさばくアシストでロケッツにリードをもたらし、ハーデンがディフェンスの注意を引き付けてイビツァ・ズバッツのイージーバスケットをアシストしてクリッパーズが追い掛ける。
残り29秒、100-100という場面でクリッパーズのポゼッション。タイムアウトでデザインしたのは、ノーマン・パウエルのオフボールスクリーンを受けたカワイの攻めだった。ロケッツのディフェンスがこれを読んで対応すると、カワイは無理に攻めるのではなくハーデンにパスを返す。ハーデンをマークしていたジェイショーン・テイトは、カワイのヘルプを意識していた分、対応が遅れた。ハーデンはそこを突き、ステップバックから3ポイントシュートを放つ。慌てたテイトが接触していたが、それでもハーデンはこれをねじ込んで4点プレーとした。
残り6秒で4点差となってはロケッツに成す術なし。最終スコア106-100でクリッパーズが接戦を制した。ハーデンは勝負を決めた4点プレーをこう振り返る。「カワイのためのプレーだったけど、彼はパスを回してくれた。僕はああいう場面で決めるために毎日練習をしている。大声を出すようなエネルギーは残っていなかったけど、興奮していたよ」
ゲームウィナーを決めたハーデンへの称賛は当然として、他の誰もがベンチスタートを受け入れたウェストブルックの姿勢を称えている。ウェストブルックと仲の良いジョージは「彼が自己犠牲を払うことでチームは前に進んでいく。彼の人柄とリーダーシップはどれだけ称えても足りない」とコメント。指揮官ルーもその姿勢に感謝した上で「これからローテーション、各選手のプレータイムやフィット感を確認していくが、これを試した最初の試合で勝てたことは、負けるよりもずっと良い」と語る。
ハーデンは言う。「この1勝はチームの大きな助けになると思う。ただ、もっと良くならなければいけないし、できるはずだ。ディフェンスはすでにかなり強力だから、改善すべきはオフェンスだね。スペーシングを改善してリズムをつかめば、相手にとって脅威になれると思う」