パオロ・バンケロ

「これで6勝5敗。僕らの次なる目標は7勝5敗だ」

現地11月15日に行われたブルズvsマジック。第2クォーターに29-12と突き放したマジックが優位に試合を進めたが、4勝7敗と低調なスタートを切ってチーム解体の噂も出始めたブルズは勝負をあきらめず、終盤に猛反撃を見せる。最大19点のビハインドを第3クォーター終了時点で9点まで詰め、第4クォーター残り1分を切ったところで88-92の4点差とマジックを射程圏内にとらえた。

逃げ切りたいマジックだが、ゲームをコントロールすべき司令塔のマーケル・フルツが膝を痛めてここ3試合は欠場中。得点源であるフランツ・バグナーの調子が上がらず、ウェンデル・カーターJr.の戦線離脱後にゴール下を支えるゴガ・ビタゼはファウルトラブルに陥り、思い切ったプレーができずに苦しんでいた。

一方のブルズは思い切ったプレーを連発。残り17秒、残り7秒でいずれもザック・ラビーンが強引に放つ3ポイントシュートをねじ込み、94-94の同点に追い付いた。

勢いは完全にブルズだったが、ここでマジックは底力を発揮する。タイムアウトを取って落ち着きを取り戻すと、左コーナー付近でボールを受けたパオロ・バンケロがポストアップで押し込み、ターンアラウンド・ジャンプシュートを沈める。残り1.1秒でブルズはシュートまで持ち込むことができず、マジックが辛くも勝利した。

ヘッドコーチのジャマール・モズリーは試合後、「完璧な試合とは言い難いが、こういう展開で勝ち切るのは選手たちの意思の強さあってこそ。彼らのプレーを誇りに思う」と語る。

ゲームウィナーを決めたバンケロは、ディフェンスとリバウンドでよく奮闘していたが、最後のシュートまでフィールドゴールは11本中3本成功とシュートは当たっていなかった。それでも彼は最後のチャンスで自分が打つことを願い、決めてみせた。

「ラビーンが最後の3ポイントシュートを決めた時、僕らは残り時間を確認して『まだやれる』と思ったんだ。コーチは僕のポストプレーをデザインしてくれた。ボールを受けた時、パトリック・ウィリアムズが僕をマークすると思ったんだけど(より小さい)アレックス・カルーソが相手だったからリムを攻めた。時間は十分あったけど、使いすぎないように気を配って。自分の中でプレーは描けていた。できるだけ彼を押し込んでシュートを狙ったんだ」

プレッシャーのかかる場面だし、簡単なシュートではなかった。それを決め切ったバンケロをコール・アンソニーは「リムが視界に入っていない状態から思い切り身体をひねったシュートを決めた。パオロはすごいヤツだよ」と称賛する。

それでも、モズリーもアンソニーもバンケロも、最後のクラッチシュートではなく相手を94点に抑えたことが勝因だと強調した。モズリーは言う。「ウチはディフェンスのチームだ。シュートが入るか入らないかは関係ない。ディフェンス優先でプレーし、しっかり守れていて初めて、このチームは力を発揮するんだ」

マジックのディフェンスレーティングは107.0で、リーグ3位の成績。オフェンスレーティングはリーグ下位だが、チームの誰もそこは気にしていない。激しく正しいディフェンスを意識しながら、一歩ずつ進むつもりだ。バンケロは言う。「これで6勝5敗。僕らの次なる目標は7勝5敗だ」