セス・カリー

フェイクニュースを吹き飛ばす15得点で勝利に貢献

アウェー4連戦の3試合目、しかもバック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2試合目で、大敗したニューオリンズからすぐに移動して夜中の3時にワシントンDCのホテルに到着。長いシーズンに何度かある過密スケジュールで、カイリー・アービングは足の痛みを訴えて欠場となったが、マーベリックスの他の選手たちは試合が始まるとコートを元気良く駆け回り、ハイペースなバスケでウィザーズを圧倒し、130-117と完勝を収めた。

エースのルカ・ドンチッチは26得点7リバウンド10アシストとオールラウンドな活躍を見せ、シックスマンのティム・ハーダウェイJr.は31得点、ルーキーのデレック・ライブリー二世はキャリアハイの17得点を挙げた。

ハーダウェイJr.は言う。「昨日は手痛い負けを喫して、みんな自分たちのパフォーマンスに納得してなかった。だから過密日程を言い訳にせず全力で戦った。僕たちの精神力の強さを示すことができた試合だったと思う」

序盤からマブスが優位に立ち、そのまま危なげなく勝ち切る展開で、ウィザーズのファンはいつしかドンチッチを応援し始め、ドンチッチからライブリー二世への派手なアリウープが決まると大いに沸いた。マブスの選手たちは良いバスケをプレーできている喜びで疲れを忘れているようだった。

これで9勝3敗、昨シーズンはプレーオフ進出を逃したマブスが、西カンファレンスの2位と躍進している。この良い流れに乗り遅れていたセス・カリーも、ウィザーズ戦で今シーズン初めて20分プレーし、初の2桁得点となる15得点を挙げた。得意の3ポイントシュート2本を含む、フィールドゴール6本すべてを決め、先発メンバーを休ませながら、チームの良い流れを継続させる役割を果たしている。

セスはコンディションが上がらずに出遅れ、他の選手が総じて好調だったこともあってプレータイムがほとんどなかった。先日にはマリファナを吸っている動画とともに「マブスは彼を解雇する」との噂が流れた。これはフェイクニュースだったのだが、1%でも信憑性があったのは彼がほとんどプレーしていなかったからだ。久々ではあれどセスらしいパフォーマンスを見せた今、嘘のニュースを信じる者はいなくなる。

「出場機会が巡ってこない選手は出てくるものさ。でも今日は僕にとって今の力を試す良い機会となった」とセスは言う。

出遅れていたとしても、彼に焦る気持ちは全くない。今はチームが好調でも、長いシーズンの中にはアップダウンがあって、ベテランの自分が必要とされる時が必ず来ると分かっているからだ。「試合の前後、そしてオフの日も、スタッフの助けを借りてトレーニングをしている。チーム練習ではどんな形であれ、自分の知識や経験を若い選手に伝えたいと思っている。試合ではベンチにいる仲間とポジティブに過ごしながら、自分の出番を待っているよ」

「若い頃とは準備のやり方が違うけど、準備を怠らないことに変わりはない。僕が大切にしているのは精神的な面で、自分がどうやって試合に良い影響を与えられるか、勝利のために何ができるかを考えている。よりシンプルで、より正しいプレーを意識していれば、自然とプレータイムは伸び、ボールを持つ回数も増え、得点も決まるようになる。ただ、僕にまずできることは、さっきも言ったようにベンチのメンバーとポジティブに過ごし、チームに良い雰囲気を作ること。そして必要とされた時にコートに出て行って、思い切りの良いプレーをすればいい」