ドノバン・ミッチェルのマークを担当、22得点に抑える
キングスは132-120でキャバリアーズに快勝した。競ったのは序盤だけで、第1クォーター終盤に逆転した後は一度もリードを失うことのない完勝だった。右足首の捻挫で5試合を欠場していたディアロン・フォックスが復帰戦でゲームハイの28得点を記録。チームで32アシストを記録し、3ポイントシュート成功率は47.6%とオフェンスで相手を圧倒した。
キングスは攻めのチームで、キャブズは守りのチーム。キャブズを率いるJ.B.ビッカースタッフは「ディフェンスから入らない限り、ウチは勝てない。ホームでのキングスの勢いはすごいが、それを言い訳にしてはならない」と語る。「ウチにとっては120点取ればオフェンスには問題がない。132失点を何とかしなければ。このディフェンスでは厳しい」
キングスのオフェンスは素晴らしかったが、ディフェンスでも良いところがあった。特筆すべきはキャブズのエース、ドノバン・ミッチェルをフィールドゴール21本中7本の22得点に押さえたキーガン・マレーの対応だ。
見事なディフェンスでミッチェルを抑えたマレーは「僕はディフェンスも好きなんだ」と言う。「大学時代も昨シーズンも周囲からそうは見られていなかったから、ディフェンスができる姿を見せたかった。相手のプレーの傾向を把握し、冷静さを保ちながらもアグレッシブに守ることを心掛けた」
マレーが相手のエースガードを抑えるのはこれが初めてではない。現地11月1日のウォリアーズ戦ではステフィン・カリーのマークを担当し、今シーズンで最も少ない21得点に抑えた。この時はこのディフェンスが効いて接戦に持ち込むも101-102で敗戦。今回がマレーが相手のエースを抑えて勝利した記念すべき試合となる。
パワーフォワードの彼が相手のエースガードのマークを担当するには、高さとウイングスパンは生かせるが、スピードについていく必要があるし、駆け引きでも後れを取れない。ここでマレーが大きな成長を見せた背景には、シーズンオフの猛練習があった。それを引き出したのはフォックスだ。
「この夏はディアロンと一緒に1対1を数えきれないほどやったおかげだ」とマレーは言う。フォックスはオフの間にマレーを何度も練習場に誘い、彼のようなスピードがあり駆け引きにも長けた選手への対応を叩き込んだという。また指揮官ブラウンは、オフの身体強化がマレーの成長に役立ったと言う。「彼はウェイトルームでの努力を惜しまない。スピードのある選手にも付いていく足があり、相手のドライブを胸で止めることができる。これはステフやミッチェルだけじゃなく、レブロン(ジェームズ)やカワイ(レナード)を相手にしても通用するはずだ」
キングスはこの勝利で5勝4敗と勝ち越し。フォックスの復帰で持ち前のオフェンス力は元に戻るし、ディフェンスでも戦えるチームになりつつある。昨シーズンに続いて飛躍のシーズンとなるか。キングスは視界良好だ。