[CLOSE UP]ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)覚醒した万能ポイントガードがチームをもう一つ上のレベルへ導く

2017/01/23
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「無理してプレーすることはなくなったと思います」

Bリーグ第17節、仙台89ERSと対戦したサンロッカーズ渋谷。第1戦では一度もリードを奪えず敗北を喫したが、昨日の第2戦では逆転に成功するとそのままリードを保ち続け勝利している。

ベンドラメ礼生は初戦でゲームハイの19得点を挙げ、第2戦ではチーム2番目に多い18得点を挙げた。彼の活躍は今まで以上に際立ち、ヘッドコーチのBTテーブスをして「一皮剥けたかな」と言わしめた。

ただベンドラメ自身は、前日の敗戦から修正した点についての質問を受けると「反省点はあまり変わらない」と満足していなかった。「僕自身、昨日と今日の反省点はあまり変わらないです。ディフェンスでイージーな得点をされていたし、攻めに関してもゾーンをうまく攻めきれていなかったです」

それでも、後半にリードを広げて勝ち切ることができた要因については、速攻を出せたことを挙げた。「昨日と比べて良かったのはブレイクが多かったこと。相手がゾーンを組む前にブレイクで点数を重ねることができました」

ベンドラメは肩のケガで11試合を欠場。だが『怪我の功名』と言うべきか以前よりも体がキレているように映る。「もちろんリハビリはたくさんしてきましたが、肩のケガで上半身は一切トレーニングできなかったので、下半身と体幹を中心にやってきました」

その結果が出たというのは早計かもしれないが、2戦合わせて9スティールという数字はディフェンス力の向上の結果と捉えてもいいはずだ。その中でスティールに関しては特別な意識を持っていると言う。

「僕は常にスティールを狙っています。安易なパスが多かったので手にかかった部分があると思いますが、強いチームになればなるほどパスフェイクを使ってきたり、バックドアされるので、ギャンブルしすぎないように考えて飛び出さないといけないと思います」

得点、アシスト、ディフェンスとすべての面でアグレッシブに動き続け、決定的な働きをやってのけたが、その中でターンオーバーが一つもなかったことは「収穫」と手応えを口にした。

「積極的にプレーした中でターンオーバーがなかったのは自分にとって良い収穫だと思います。今まではどうにかしてこじ開けなきゃいけないと思い無理してドライブしてましたが、無理してプレーすることがなくなりました」

ロバート・サクレの加入が無限の可能性を生み出す

今までのSR渋谷はインサイドで起点になれるプレーヤーが不在で、どちらかと言えばアウトサイドシュート中心の攻めが目立っていた。外のシュートが入っている時は良いが、インサイドのシュートに比べるとやはり成功率は下がる。長所が短所になるそんな危うさを常に抱えていた。そんな不安を払拭したのがロバート・サクレの加入だ。

「今までの外周りだけのバスケだと相手も守りやすいです。それがインサイドに1人入ったことによって相手も守りにくくなるし、もっと簡単に攻められるようになったと思います」とベンドラメは言う。

「やりやすくなったというより、攻める手段が増えたという印象がありますね。あれだけリバウンドが取れる選手がいると、シュートも思いきり良く打てます」

その結果が仙台との2戦で19得点、18得点という数字にも表れた。ちなみにこれまでベンドラメの得点は14が最多だったので、その変貌ぶりは明らかだ。ベンドラメは『サクレ効果』を具体的に説明してくれた。

「インサイドの選手が来たということでビッグマンがヘルプしずらくなっています。パスフェイクをしただけでビッグマンが(センターに)寄ってくれるので、それで中のスペースが空いて、自分が積極的にドライブできています」

サクレはプレー以外にも『声』でチームに貢献している。テーブスが「良い意味でうるさい」と言うサクレについてベンドラメは「メンタル的に支えられてます」と、その頼もしさを説明する。

「一つひとつのプレーに対してナイスパスとか良いシュートだと言ってくれます。僕がそんなにナイスだと思ってなくても声をかけてくれたり、ハドルも積極的に声かけしてくれるので、そこは心強いです」

SR渋谷は15勝15敗で勝率を5割に戻した。サクレの加入がチームに与える効果は計り知れない。チームにフィットするにはそれなりの時間を要するだろうが、それも伸びしろだ。特に外から多彩な攻めを展開するベンドラメとの連携が向上すれば、SR渋谷は他のチームにはない大きな武器を持つことになる。

司令塔を務め高い攻撃力も兼ね備えるベンドラメがしっかりと手綱を握り、得意のスティールでプレッシャーをかける。23歳の若武者の成長はそのままチームの成長へと繋がり、その先には栄冠が待っている。