ヨキッチら生え抜きを育て上げる手腕を発揮しポポビッチ、スポールストラ、カーに次ぐ9年目の長期政権中
ナゲッツのマイケル・マローンヘッドコーチが、契約延長に合意したと『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー氏が報じている。内容は執筆時点で不明だが、ヘッドコーチとしてリーグ屈指の大型契約を結んだ模様だ。
52歳のマローンは、ニックス、キャバリアーズ、ホーネッツ、ウォリアーズでのアシスタントを経て2013-14シーズンにキングスのヘッドコーチに就任する。初年度を28勝54敗で終え、2年目のシーズン途中、11勝13敗の時点でヘッドコーチを解任されたが、彼の手腕を評価する声は少なくなかった。
翌年の2015-16シーズンからはナゲッツの指揮官に就任。マローンがチームを率いるのは今シーズンで9年目となるが、これは現在のNBAにおいてスパーズのグレッグ・ポポビッチ、ヒートのエリック・スポールストラ、ウォリアーズのスティーブ・カーに次ぐ長期政権だ。
これまでの彼のナゲッツでの歩みを振り返ると、最初の2年間は勝率5割以下と結果を残さずにいたが、球団首脳陣の信頼は厚く、翌年もそのまま続投。3年目に46勝36敗と勝ち越し、4年目に54勝28敗でプレーオフ進出を果たす。ここからナゲッツはポストシーズンの常連となり、昨シーズンはチームに悲願のNBA初優勝をもたらしたのは記憶に新しい。
ナゲッツの本拠地はスモールマーケットのコロラド州デンバーであり、トップレベルのスター選手がフリーエージェントで来るようなチームではない。それはマローン政権下でも同じだが、ニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJrと生え抜きの選手をチームのコアメンバーへと成長させる見事な育成手腕を発揮した。
さらにフリーエージェントやトレードで獲得した選手たちを、うまくチーム戦術にフィットさせる能力も高く、ナゲッツではここまでレギュラーシーズン通算375勝272敗、プレーオフ通算37勝31敗の好成績をマークしている。この実績からして、ナゲッツ側が契約延長を打診するのも当然だろう。
マローンを引き留めることができたのは、チームの将来においてもこれ以上ない明るい材料だ。