外角が不調ながら前半を4点ビハインドでまとめる
14勝15敗で中地区4位のサンロッカーズ渋谷が仙台89ERSと対戦した。SR渋谷は昨日の第1戦で一度もリードすることなく仙台に完敗を喫している。だが今日の第2戦では後半の「堅守速攻」で逆転すると、そのままリードを保ち続け仙台にリベンジした。
序盤、アグレッシブなアタックを繰り返す片岡大晴に7連続得点を許し出鼻をくじかれるも、アイラ・ブラウンのバスケット・カウントで同点に追いつき、その後は膠着状態が続いた。
期待の新戦力、ロバート・サクレはリバウンドで存在感を発揮。だがチームオフェンスではまだ連携不足の感は否めず、パスの経由役となるもゴールに直結する働きはなかなかできなかった。
インサイドを起点にして3ポイントシュートを打つというオフェンスシステムに慣れていなかったせいもあり、SR渋谷は得意の3ポイントシュートが9本打って1本も入らず苦しんだ。それでもオフェンスリバウンドやディフェンスなど他の部分で我慢し、32-36で前半をまとめた。
そして後半、ベンドラメ礼生がドライブでマークを引きつけ、アキ・チェンバースが3ポイントシュートを決めてSR渋谷が勢いに乗る。目立ったのはどこからでも手を伸ばし、ボールマンにストレスを与え続るディフェンス。特に印象的だったのはアキとベンドラメのスティールだ。ドリブルの突き始めや不用意にボールを下げた瞬間を狙い、パスの行く先を予想し先回りしてのスティールを連発。2人はこのクォーターで2個づつスティールを記録し、そこから速攻につないで逆転に成功した。
またオフェンスリバウンドでも全員が高い意識を共有。セカンドチャンスからフリースローを獲得するなど相手が一番やられたくないプレーを重ねて流れを呼び込んだ。
スティールからの速攻を連発した『ベンドラメ・タイム』
54-51で迎えた最終クォーターの出だしからベンドラメが爆発する。
ベンドラメが最初のポゼッションで3ポイントシュートを沈めると、直後のディフェンスでウェンデル・ホワイトのボールをスティールしアキのシュートをアシスト。さらには好ディフェンスから24秒バイオレーションを誘発し、ドライブから満原優樹のシュートをお膳立て。約1分半で7-0のランを決めて点差を2桁へと広げたすべてのプレーにベンドラメが絡んでいた。
仙台もホワイトの1on1や熊谷宜之のポストプレーで粘りを見せるも、要所で再びベンドラメが3ポイントシュートを沈めるなどSR渋谷が優位を守った。残り1分26秒、サクレがショットクロックぎりぎりでペイントから放った柔らかいタッチのシュートが決まり、76-64としたところで勝負は決した。
SR渋谷のヘッドコーチ、BTテーブスは「オフェンスリバウンドに行き続けることとターンオーバーの数を減らすことはできた。アグレッシブなディフェンスから早い展開に持っていけたことが良かった」と勝因を語った。
勝因に挙げたオフェンスリバウンドは仙台の「6」に対して「21」と圧倒した。ターンオーバーは今日の仙台のターンオーバー数であり、昨日のSR渋谷が記録した「17」から「12」に減らすことができた。
敗れた仙台の間橋健生ヘッドコーチは「渋谷はディフェンスもプレッシャーをかけてフィジカルコンタクトもリバウンドも飛び込む、そういうところがジャブのように効いてしまって後半に足が止まってしまった」と後半の失速を振り返った。
ベンドラメは18得点10アシスト4スティールと圧巻のパフォーマンスを見せた。テーブスは「一皮剥けたかな」と彼を称賛した。アキは19得点4スティールと反撃のきっかけを作った。17得点10リバウンドと役割を果たしたサクレは「後半から焦らずプレーできたことと、プレッシャーに対してうまくコントロールできたこと」が後半の質の高いプレーに繋がったと説明した。
昨日の反省点を改善し仙台を退けたSR渋谷は勝率を15勝15敗の5割に戻した。次節は4強の一角、栃木ブレックスとの対戦が待ち受ける。強豪を倒さない限り上位進出は難しいリーグで、後半戦に勢いをつけるべく大物食いを実現させたいところだ。
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