スティーブ・カー

2年間でのHC交代は「大きなコミットメントが必要なのであるべき姿だと思う」

ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチは『The Athletic』のインタビューで、アメリカ代表チームのヘッドコーチをパリオリンピック終了後に退任する意向を明らかにした。今夏のワールドカップでアメリカ代表を率いたカーは「私にとって2年間は1つのサイクルだ。ポップ(グレッグ・ポポビッチ)は、ワールドカップとオリンピックでヘッドコーチを務めた。今度は私がそれを引き継ぐ番だ」と語っている。

近年のアメリカ代表を見ると、NCAAの名将であるマイク・シャシェフスキーは、2006年から2014年と長期にわたってヘッドコーチを務め、3度のワールドカップとオリンピックで指揮を執った。しかし、後任のポポビッチは2019年ワールドカップと2021年東京オリンピックで退任し、カーがその後を継いでいる。

NBAの過酷なシーズンを終えた後は、選手だけでなく指揮官も心身ともにリフレッシュする期間が必要なもの。カーは、シャシェフスキーとアメリカ代表のマネージングディレクターを長らく務めたジェリー・コランジェロの尽力を称える一方で、今後のヘッドコーチ職について「代表ヘッドコーチは大きなコミットメントが必要なので、(2年での交代は)あるべき姿だと思う」と語る。

「コーチK(シャシェフスキー)とジェリーが今の代表のシステムと文化を確立し、選手たちが2〜3年にわたって代表にコミットメントすることが必要だった当時と今とでは、状況は違っていると思う。当時、コーチKが長くチームを率いることは理に適っていた。でも今は1つのサイクルが終わったら次に進むべきだ」

アメリカ代表は今夏に行われたワールドカップを若手中心のメンバーで臨み、2大会続けてメダルを獲得できずに終わった。だが、パリオリンピックでは、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラント、ステフィン・カリーといったNBAの顔である百戦錬磨のスーパスターたちが出場への意欲を表明。カーは文字通りアメリカのベストメンバーを組んで金メダルを獲得し、有終の美を飾ることを目指す。

時期尚早ではあるが、後任に関しては、カーがポポビッチ体制のアシスタントから昇格したように、アメリカ代表を理解している人物が継承するのが理想だ。現在代表チームのアシスタントを務めているのは、ヒートのエリック・スポールストラ、クリッパーズのティロン・ルー、ゴンザガ大のマーク・ヒュー。彼らの中から次期ヘッドコーチが誕生する可能性は高いだろう。