デジャンテ・マレー

「大事なのは僕ら自身が持つ才能を活用すること」

ホークスはティンバーウルブズを127-113で破り、今シーズンのホーム初勝利を挙げるとともに、通算成績を2勝2敗のイーブンとした。

ウルブズ戦では3ポイントシュートが好調な相手の勢いに飲み込まれ、第1クォーター後半からずっとビハインドを背負う展開に。オフェンスは良くてもディフェンスで相手の勢いを止められず、後半開始直後には最大となる21点のビハインドを背負った。

それでも、攻守が噛み合えばホークスは恐るべきポテンシャルを発揮する。それは第3クォーターの終盤に訪れた。トレイ・ヤングがベンチに下がっている時間帯、デジャンテ・マレーがメインハンドラーとなり、アイソレーションから得点を奪っていく。ディフェンスとリバウンドではオニエカ・オコングがルディ・ゴベアの圧力を押し返し、サディック・ベイもエネルギー全開でボールに食らい付いた。

第3クォーターのラスト2分で8-1のランで同点に追い付くと、第4クォーター開始から3分で15-2のラン。トレイ・ヤングがコートに戻ってメインハンドラーが代わると、ホークスのオフェンスはさらに多彩になり、ヤングとマレーが渋滞を起こすことなくウルブズのディフェンスの間隙を突いてリードを広げていった。

ウルブズもディフェンスから立て直そうとするが、途中からマレーとトレイは2人で得点を奪うのを止めて他の選手を生かすようオフェンスを切り替え、彼らのお膳立てを受けたオコングが得点を連発。これにジェイレン・ジョンソンも絡むようになり、ウルブズのディフェンスは狙いを絞ることができなかった。

第4クォーターを29-15として痛快な逆転勝利を収めた後、エースのトレイは「チームで激しくディフェンスしたこと、そしてデジャンテが第3クォーターと第4クォーターを支えてくれた」と語る。「立ち上が悪くて、本当はずっと終盤のようなプレーをしなきゃいけないんだけど、それでも戦うのをやめず、ディフェンスに力を入れて、本来出すべきエネルギーを取り戻せたのは良かった」

この日のヒーロー、デジャンテ・マレーは41得点7リバウンド5アシスト2スティールを記録。「僕個人としては、いつもディフェンスを引っ張ることを最優先に考えている。毎試合で上手くやれるとは限らないけど、どの試合でもそうあろうとチャレンジしている」と、彼はキャリアハイに並ぶ41得点を奪った後でもディフェンスを強調する。

「僕はいつだってディフェンスに集中する。ディフェンスが好きな選手はあまりいないと思うけど、僕はディフェンスを愛している。そのために高額の報酬を得ていると思っているから、常に全力で挑みたい。これからもディフェンスで全力を発揮していくし、それがチーム全体に波及することを願っている。お互いに力を発揮して、助け合って勝っていくんだ」

マレーはディフェンスを語る時は饒舌だが、オフェンスについて問われると一転して言葉数が減り、「今日は僕だったけど、次の試合ではトレイかもしれないし、別の誰かかもしれない」と、あくまで個人ではなくチームとしての話にまとめた。「誰のシュートが当たってもいいんだけど、大事なのは僕ら自身が持つ才能を活用すること。そうすれば僕らは遠くまで行ける」

そしてこの勝利を次に繋げるのに必要なメンタリティの話になると、彼は再び饒舌になった。「ハングリーであり続けたい。現状を心地良いと思っちゃダメで、もっともっとやりたいと思っていたい。素晴らしい勝利だったけど、それはもう過去のこと。映像を見て次の試合に備えるんだ。だって、ここは世界最高のリーグであり、毎試合で試される。競争に勝ちたいならゲームプランに集中して、それを実行しなきゃいけない。僕はまだまだ勝ちたいから、そうするつもりだよ」