文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

すべての仕事を5人で分担する変幻自在のオフェンスを披露

23勝5敗で東地区首位を走るアルバルク東京と11勝19敗で中地区5位の横浜ビー・コールセアーズの対戦は、伊藤拓摩ヘッドコーチが「ゲームプラン通り、それ以上を選手がやってくれた」という上々のパフォーマンスを見せたA東京の快勝となった。

立ち上がりの横浜は、ジェフリー・パーマーにボールを預けて竹内譲次との1on1、かと思えばカットインする高島一貴への合わせなど積極的なプレーで好スタートを切ったかに見えた。しかし田中大貴が24秒ショットクロックぎりぎりでの3ポイントシュートを沈めると、その後はA東京のペースとなる。

A東京のオフェンスは変幻自在、ボールを運ぶのも相手守備を切り崩す仕掛けもフィニッシュも、すべての仕事を5人で分担して的を絞らせない。センターのトロイ・ギレンウォーターが3ポイントシュートを2本決めれば、パワーフォワードの竹内は巧みな動きでフリーになりミドルジャンパーを沈める。

第1クォーターで29得点。3ポイントシュートも2ポイントシュートもアシストも、特定の選手に偏ることなく素早いパス回しからズレを作り、フリーで放つシュートを高確率で決めた。

このオフェンスに振り回されっぱなしの横浜はリズムに乗れず。頼みの川村卓也も菊地祥平と田中大貴のどちらかに常に張り付かれ、一度たりともフリーになれない。横浜は無理やりシュートを放ってはエアボールを連発、さらに流れを悪くした。

第2クォーターも流れは変わらず。ファイ・パプ月瑠がパワーで、竹田謙が運動量で何とか打開しようと試みるも果たせず。39-24と差がついた残り5分9秒の場面、動き続ける竹田がようやくスティールに成功し細谷将司のブレイクにつなぐも、伊藤大司が瞬時の判断でファウルで止める。「一つのプレーも横浜に気分良くやらせない」という気迫が伝わるプレーだった。

パーマーが19得点と孤軍奮闘するも大敗を喫した横浜

29-47と大きなビハインドを背負って迎えた後半、横浜はこれまで以上にアグレッシブに戦うことで流れを変えようとするが、皮肉にも開始3分でチームファウル4つを犯してしまう。これで強く当たれなくなり、このクォーターもバランスの良いA東京の攻めに蹂躙されることになった。

第4クォーターの序盤、ピック&ロールからフリーになった竹内がバスケット・カウントの3点プレーを決め、次のポゼッションでも同じような動きからフリーになりミドルシュートを沈めて81-45としたところで勝負あり。最終スコア98-66でA東京が大勝した。

この試合の最多得点を記録したのは横浜の選手(パーマーの19得点)だったが、A東京はディアンテ・ギャレットの16得点を筆頭に6選手が2桁得点を記録。ベンチ入り選手は全員出場、3分強しかプレータイムのなかった田村大輔を除く11選手が得点。さらにはアシスト(チーム総数22)も9選手が記録しており、まさに『どこからでも点の取れるチーム』だった。

横浜では頼みの川村が無得点。得点だけでなくシュート試投数わずが4と、A東京の徹底したディフェンスを前にプレーさせてもらえなかった。「A東京に対して策を練ったが、機能しなかったところが多かった」と反省しきりの横浜の青木勇人ヘッドコーチは、川村についてこう語る。「A東京が戦略として潰しに来ました。得点だけでなくパスも出せるのが川村の良い点で、他の選手の得点が伸びればまた違う勝負になるので、また明日やり直したい」

98得点と大量得点を挙げたA東京だが、試合後の選手が語っていたのはオフェンスではなくディフェンスだった。川村とマッチアップする時間帯の多かった田中は「全員が共通の意識を持ってプレーできた。ローテーションもちゃんとできていたし、声も出ていた」と堅守を振り返る。

それでも、伊藤拓摩ヘッドコーチは明日の第2戦に向けて『勝って兜の緒を締めよ』の心境。「今日はシュートがよく入りましたが、明日もそうなるとは限らない。今日は調子が良かったのですが、どういう時でもチーム一丸となって戦えるかどうか。それが後半戦のテーマです」

これでアルバルク東京は2016年ラストゲームから5連勝。一方の横浜は今日は良いところなしの完敗だったが、明日までに特にディフェンスをどう立て直すか。オーバーカンファレンスのアウェーゲームではあっても首都圏とあって、多くのブースターが会場に足を運んでいた。2日続けての惨敗は許されない。