スタッツは『オールスター級』だが評価は勝ち取るもの
ヒートの顔としてチーム再建の鍵を握るハッサン・ホワイトサイド。昨今のNBAでは珍しく、ピュアセンターとして注目を集める逸材の一人だ。そんなホワイトサイドは、1月19日に発表されたNBAオールスター2017投票で、東カンファレンスのフロントコート部門10位に終わった。
ヒートは昨年のオフにホワイトサイドと4年9800万ドル(約112億円)の大型契約を締結。ドウェイン・ウェイドがチームを去り、クリス・ボッシュが血栓症の影響で出場許可を得られていない中、チームが誰よりも期待を寄せていることが分かる。
個人スタッツも、今シーズンはキャリアハイの平均17.3得点、14.2リバウンドを記録。だが、肝心のチームはといえば、13勝30敗で東14位に低迷している。
『オールスター』の定義を説明するのは難しいが、大まかに言えば、『個人成績がトップクラスで、なおかつチームの成績に繋がる活躍をしている選手』といったところだろうか。
ホワイトサイドは、残念ながら、今のところ後者を満たせていない。しかし本人は、ファン人気の差が投票結果に影響を与えたと『Palm Beach Post』に語っている。
「もし自分の個人成績だけ見せて、顔も名前も分からないようにしたら、それだけで票数は変わると思う。これが本音だよ。自分の成績を見たら、『なんでこの選手がオールスターに選ばれていないんだ?』と言われるはずだ。投票は、人気者を決めるだけのもの」
しかし、これはいささか飛躍し過ぎ。スターターを決める投票結果を見てみると、ホワイトサイドはファン投票で10位、選手投票で14位、メディア投票で8位にランクイン。成績が伴っていないことでファンの票数が伸びなかったのは理解できる。それに、メディアは個人成績、ポテンシャルの高さからまずまずの評価をホワイトサイドに与えたことも見て取れる。ただ、同じNBAで戦う選手からの評価は東カンファレンスのフロントコート部門でワースト。文句を言う前に、結果を残してリスペクトを勝ち取らなければ同業者からの評価は上がらないということの裏返しだ。
幸い、各チームのヘッドコーチが選出するリザーブチームに入る可能性は残されている。もし球宴に出場できるのなら、『フランチャイズプレーヤー』として成長するためにも、真のトップ選手たちから謙虚で真摯な姿勢を学ぶべきではないだろうか。