ラスト3分半で9得点、セルティックスを逆転勝利に導く
セルティックスを率いるジョー・マズーラは、開幕を前に「謙虚であること、集中すること、タフに戦うこと、バスケに情熱を持ってチーム一丸で戦うこと、勝負強くあること。それらを追い求めたい」と語った。
ニックスとの開幕戦、セルティックスの選手たちは指揮官が求めるそれらの要素を体現した。簡単な試合ではなかったが、最初のクォーターで30-18と好スタートを切ると、48分間のほとんどをリードして試合を進めた。9点リードで迎えた第4クォーターに相手の反撃を浴び、残り3分半で95-101と6点のビハインドを背負ったが、そこから立ち直って13-3のランで試合をひっくり返し、最終スコア108-104で勝利した。
ラスト3分半の勝負どころで、セルティックスが奪った13得点のうち実に9得点がクリスタプス・ポルジンギスによるもの。残りはドリュー・ホリデーとペイトン・プリチャードが2得点ずつ。これまでオフェンスを引っ張ってきたジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンとは別の選手で悪い流れを押し返し、逆転勝利を収めたことに価値がある。
とりわけ、ポルジンギスにとってはセルティックスでのデビュー戦ということ以上の意味を持つ試合だった。ニックスは彼がNBAデビューを果たした古巣で、勝てない責任を押し付けられ、ケガを抱えた状態で放り出された過去がある。試合開始前の選手紹介でポルジンギスの名前が呼ばれると、マディソン・スクエア・ガーデンのニックスファンは盛大なブーイング。試合中もポルジンギスはボールを持つたびに罵声を投げかけられた。
ポルジンギスが自分への敵意を受け流したのか、エネルギーに変えたのかは分からないが、とにかく気迫十分のプレーで30得点8リバウンド、さらにいは4ブロックと活躍。30得点はゲームハイの数字で、先述のとおりクラッチタイムに重みのある得点も連発と、ニックスへのリベンジを果たすとともに、新天地セルティックスに開幕戦勝利をもたらすパフォーマンスとなった。
「ニックスのランを浴びてファンが熱狂している時にも、僕たちは落ち着いていた。慌てる必要はない、また接戦に持ち込んで競り勝つことは十分に可能だと思っていた。落ち着いてプレーできたことがすべてだと思う」とポルジンギスは言う。
ニックスでの苦労はもう過去のこと。「セルティックスの一員であることが幸せなんだ」とポルジンギスは笑顔を見せる。「このユニフォームを着て、素晴らしい試合をして勝つことができた。そう、すごく幸せだよ」