主力の穴をベテランとルーキーの2人でカバー
32勝9敗で西カンファレンス2位につけるスパーズがナゲッツと対戦した。スパーズはポイントガードのトニー・パーカーが左足のケガで欠場し、センターのパウ・ガソルが練習中に左手の指を骨折する緊急事態。
それでも代わりにスターターに名を連ねたルーキーのデジョンテ・マレーとデイビッド・リーがしっかり役割を果たし、きっちりと勝利を手にした。
第2クォーター終盤、ファウルコールに納得のいかないグレッグ・ポポビッチヘッドコーチが審判に文句を言い続け、今シーズン初の退場となった。審判への文句は御法度だが、結果的にこの退場劇がスパーズの選手に火をつけた。
59-58とスパーズが1点リードして迎えた第3クォーターに試合は動く。スパーズはペイント付近を重点的に守り外からタフショットを打たせ、相手が不用意に下げたボールをダニー・グリーンがスティール。ここからカワイ・レナードが速攻を決めて1分間で6-0と走った。
一気の攻勢で主導権を握り続けたスパーズ
なおもアグレッシブなディフェンスからのトランジションでスパーズのランは続く。マレーが抜群の読みからパスカットしグリーンの速攻をアシスト。リーがディフェンスリバウンドを奪っての素早い展開、またトランジションからエンドラインにドライブしたグリーンのパスを逆サイドのコーナーで待つマレーが受け3ポイントシュートを決めるなど、多彩な攻撃でナゲッツを圧倒。2度のタイムアウトを挟む間に、スパーズは15点を積み上げ一気にリードを奪った。
第4クォーターに入り、ベンチメンバーを混ぜながらの時間帯ではマヌ・ジノビリが実力を発揮。得意のピック&ロールからバスケット・カウントをもぎ取り、ユーロステップからレイアップを沈めた。
孤軍奮闘のニコラ・ヨキッチに3ポイントシュートやペイントで得点を許すも、大崩れには至らず、常に10点前後の点差を保ち続けたスパーズが118-104でナゲッツを退けた。
レナードがチームハイの34得点、マレーがシーズンハイの24得点を挙げた。リーは10得点16リバウンド(5オフェンスリバウンド)でガソルの穴を完璧に埋めた。
敗れたナゲッツはヨキッチがキャリアハイの35点を挙げ12リバウンドのダブル・ダブルを記録した。
スパーズはポポビッチの退場が選手の闘志に火を点け、後半の3分で一気に走った点差がそのまま結果に表れた。パーカーとガソルを欠き、なかなか点差が開かない状況を打破するためのポポビッチ流の荒療治だったかもしれない