渡邊雄太

ブラッドリー・ビール欠場もウォリアーズに競り勝つ

サンズは敵地でのウォリアーズ戦で新シーズン開幕を迎えた。かつての優勝への貢献を称える映像とともに古巣のファンに迎えられたケビン・デュラントは「しばらく会っていなかった人たちに会えた。一人の人間として愛され、リスペクトされるのはうれしい」と気分良くプレーし、18得点11リバウンド3アシストとオールラウンドな活躍を見せた。

これまでポイントガードとしてチームを引っ張ったクリス・ポールが対戦相手となった試合で後釜に座ったデビン・ブッカーは、ポールほどのゲームコントロール能力はないにせよ抜群のシュート力を披露。両チームで誰よりも多い21本のシュートを放って、そのうち13本を沈めてゲームハイの32得点と、得点力でチームを引っ張るとともに8アシストを記録している。

そして新加入の渡邊雄太も、ベンチから出ての繋ぎ役として存在感を発揮した。第1クォーター途中に投入されると、ルーズボールに飛び込み、リバウンドに食らいつく泥臭いハッスルを見せる。第2クォーターには速攻からの3ポイントシュートを確実に決めて、シーズン初得点を記録した。

後半にもクリス・ポールのシュートを死角から腕を伸ばしてブロックすると、続くオフェンスで味方が攻めきれなかったところをフォローして3ポイントシュートを成功させる。試合の中でウォリアーズに一番勢いがある時間帯に攻守とも質の高いプレーでチームを立て直した。さらに第4クォーターにはジョーダン・グッドウィンのパスを受け、3ポイントシュートを警戒して前に出る相手ディフェンスの裏を突くドライブからのジャンプシュートを沈める。第4クォーター開始時点での6点ビハインドを覆して同点とし、ウォリアーズにタイムアウトを使わせる値千金の得点だった。

渡邊の出番は第4クォーター残り7分半までで、接戦の終盤を任されるには至らなかったが、彼がコートに立つのはデュラントやブッカーが休む時間帯が主。そこで18分プレーして得失点差+7は大きな貢献だ。渡邊は開幕戦で8得点4リバウンドを記録している。

ウォリアーズもエースのステフィン・カリーが27得点と好調で、サンズの巻き返しを浴びるもそこで崩れることなく終盤まで続く接戦へと持ち込んだが、残り1分半で2本決めれば逆転のフリースローをジョナサン・クミンガが1本も決められず。サンズはブッカーのアシストからジョシュ・オコーギーとエリック・ゴードンが3ポイントシュートを連続して決め、最後もブッカーのアシストからユスフ・ヌルキッチがミスマッチを攻めて確実に2点を奪い、108-104で勝ち切った。

試合後の会見で渡邊は「僕たちはチーム一丸となって、自分たちのゲームプランを貫き、勝負どころで良いプレーができた。すごく良い勝利だし、そこに自分が貢献できていたのがうれしい」と語る。

補強の目玉であるブラッドリー・ビールが欠場したが、それでもブッカーとデュラントを軸とするオフェンスにはウォリアーズ以上の迫力があり、2人を支えるサポートキャストも渡邊以外にも多くの選手が活躍。サンズにとっては素晴らしい開幕戦の勝利となった。