ジェラミ・グラント

「僕たちは若いチームであり、みんなが共通意識を持ってプレーしないといけない」

トレイルブレイザーズは今オフ、10年以上にわたってチームの顔を務めたデイミアン・リラードをトレードで放出し、不動の先発センターだったユスフ・ヌルキッチもチームを去った。2000年以降における最高成績となった、カンファレンス決勝に到達した2018-19シーズンのメンバーは、当時ルーキーだったアンファニー・サイモンズのみとなった。

文字通りチームを刷新した新生ブレイザーズの目玉は、ルーキーのスクート・ヘンダーソン、2年目のシェイドン・シャープ、6年目だがまだ24歳のサイモンズの若手トリオだ。抜群の身体能力と爆発力を備えた彼らは、リーグ随一のバックコートになれる可能性を十分に秘めている。だが、当然のように経験不足で荒削りな部分は多い。

今シーズンのブレイザーズはチーム刷新の1年目であり、優勝を至上命題とするような状況ではないが、それでもヘンダーソン、シャープと次代を狙う存在をすでに獲得している。彼らに少しでも多くの勝利を経験させることが重要であり、負け続けても仕方ないというわけではない。安定感に欠ける若手がオフェンスを牽引していく状況下で勝ち星を増やしていくには、どこまでディフェンスで踏ん張れるかが鍵となる。

リラードがいなくなった新生ブレイザーズで、チームリーダー役を担うのはジェラミ・グラントだ。オフに5年総額1億6000万ドル(約240億円)の大型契約で残留したグラントは29歳で、開幕直前にトレードで加入したマルコム・ブログトンに次ぐ年長者となる。

堅実なディフェンスを持ち味の1つとする203cmのグラントは、今シーズンのチームの守備力に自信を見せる。「間違いなく、僕たちは素晴らしい守備のチームになるための要素をすべて備えている。今年は良いディフェンスができると期待している」

さらに「守備においてよりコミュニケーションを取るようになっている。僕たちは若いチームであり、みんなが共通意識を持ってプレーしないといけない」と語るグラントは、次のように自軍のタレントへの手応えを強調する。「僕たちには多くの身体能力の高いウイングがいる。2人の機動力に優れたショットブロッカー(ディアンドレ・エイトン、ロバート・ウィリアムズ)を獲得した。それに僕とマティース(サイブル)もいるからね」

今シーズンのブレイザーズは、33勝49敗に終わった昨シーズンと同等、もしくはそれ以下の成績と予想する声が大半だ。しかし、グラントの目論見通りの堅いディフェンスを構築できれば、プレーオフ戦線に絡む波乱を起こすことも可能となる。