シェイ・ギルジャス・アレクサンダー

サンダーのエースとして「日々ベストを尽くす」

昨シーズンのサンダーは40勝42敗の西カンファレンス9位、プレーイン・トーナメントでペリカンズを破るもティンバーウルブズに敗れてシーズンを終えた。それでも若いチームは右肩上がりの成長を続けており、昨年はケガでデビューできなかった2022年ドラフト全体2位指名のチェット・ホルムグレンもチームに加わって、今シーズンはさらなる飛躍が期待される。

各ポジションに有望な若手を擁するのは数年前から変わらないが、それぞれ経験を積んで飛躍の準備は整った。エースとしてチームを引っ張るのはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーで、昨シーズンはリーグ4位となる平均31.4得点を記録し、オールNBAファーストチームに選ばれた。今オフにはカナダ代表としてワールドカップに出場し、ここでも大活躍を見せている。

個人の活躍だけでなく、エースとして、チームリーダーとしての責任を背負うようになった彼は、カナダ代表でも同じことをやった。NBAのスター選手には、シーズンの準備を優先して代表活動を辞退する者も多いが、彼は「代表での経験はNBAに生きると思う」と言う。「夏はいつもピックアップゲームを探しては参加するようにしているけど、本物の試合に勝るものはない。僕は夏にも本番同様のバスケをやっていたかった。代表での経験はNBAで役に立つと思っているし、それはこれから分かるよ」

オールNBAファーストチーム入りは彼にとって大きな成功だが、彼の受け止め方は「自分の目標のチェックボックスの一つに印を付けられただけ」だ。「この一つを潰せたのはうれしいけど、まだまだ空いているチェックボックスがたくさんある。良い気分ではあるけど、もっともっと成し遂げなきゃいけない気持ちのほうが強い」

彼が目指す究極の目標はNBAでの優勝だ。「NBAのチャンピオンになりたい。本当に偉大な才能の持ち主でも、そのチェックボックスに印を付けられない選手はいる。長い間ずっと努力を惜しまず、正しいことをしてきて、このリーグでトップパフォーマンスを見せていても、少しの幸運に恵まれなければ優勝はできない。だからこそ僕は優勝という目標を果たしたいし、本当に満足できるのはその時だけだと思う」

ただ、まだ若いサンダーが今シーズンに優勝できるかと言えば、少なくとも世間はそう思ってはいない。シェイ自身も優勝を目標に掲げつつ、チームの現在の立ち位置からして短期的な目標を作る必要はないと考えている。「個人としてもチームとしても成長し続けることにフォーカスしたい。今の成長を続けるには、かなりの粘り強さが必要になると思う。でも、それができればいずれ僕たちは目指すところにたどり着ける」

「それがいつになるのか、実際に実現できるのか、それは今の僕には手が出せない問題だ。だけどそれが何であれ、自分自身が信じなければ決して手に入れることはできないと思っている。僕は日々、自分のベストを尽くしていくよ」