キングス相手にゲームウィナーを決め、勝利の立役者に
「僕らは勝ちたい。それが一番大事なことだからね」と言って、ステフィン・カリーは満面に笑みを浮かべた。
その言葉通り、ウォリアーズは勝敗を問わないプレシーズンゲームであっても4戦全勝。現地10月18日のキングス戦では第3クォーター残り2分半で最大18点のビハインドを背負ったが、第4クォーターに猛追を開始。他のチームであればプレシーズンゲームの終盤は若手を起用するものだが、ウォリアーズが最後を託したのはカリーにクレイ・トンプソン、クリス・ポール、アンドリュー・ウィギンズにダリオ・シャリッチと、この試合を欠場したドレイモンド・グリーンを除けばベストメンバー。キングスもベストメンバーで応酬し、大接戦の終盤は6カ月前のプレーオフの同カードの再現とでも呼ぶべき雰囲気となった。
残り5.5秒、試合を決めたのはステフ・カリーだった。ディアロン・フォックスが距離を詰めて守っていたが、そのプレッシャーをモノともせずに3ポイントシュートを沈めて116-115と逆転。第1クォーター終盤からずっとビハインドだった試合を、最後の最後にひっくり返し、チェイス・センターのファンを熱狂させた。
キングスは最後のポゼッションで逆転を狙うも、得点を奪えず。試合は116-115でウォリアーズの勝利に終わった。カリーはうれしそうに「もう子供を寝かしつけなきゃいけない時間だしね」と言う。
カリーはこの試合で30得点を記録。プレシーズンゲームの過去2試合は調整目的でプレータイムも短かったが、いよいよ開幕モードで31分プレーしたこの試合では3ポイントシュートを12本中8本決めている。グリーンに代わり先発したジョナサン・クミンガは18得点6リバウンドと好調をキープ。そしてルーキーのトレイス・ジャクソン・デイビスも13得点10リバウンドとアピールに成功した。
また、この試合でクリス・ポールはベンチスタートに回ったが、セカンドユニットでサンズ時代のチームメートだったシャリッチと息の合ったピック&ポップを披露。シャリッチが14得点6リバウンドを、ポールは13得点6リバウンド9アシストを記録し、2人ともクロージングラインナップに入った。シャリッチは「彼はこのリーグでバスケを最も深く知っている選手だ。セルフィッシュじゃなく、最高のタイミングで最高のプレーを選択してくれる。一緒にプレーするのは本当に楽しい」とポールを称え、また一緒にプレーできることを喜んだ。
ポールとのプレーについては、カリーもこうコメントしている。「彼のプレーはずっと見てきた。彼はいつもしゃべっている。コート上で起きる出来事すべてを常に意識し、どう調整すればチームが上向くかを考えている。時々は耳に心地良くないアドバイスもあるけど、強くなりたければ受け入れるべきだし、実際その時が来ればそうするつもりだ」
そしてカリーは、開幕に向けた準備が概ね順調なことを喜んでいる。「チーム始動の前に、それぞれ集まってワークアウトをしたり一緒に食事をしたり、できることはやっておいた。トレーニングキャンプで『はじめまして』なんて挨拶をするのは好きじゃないからね。おかげで良いスタートを切ることができたよ。今の時点で僕たちがコントロールできることはそう多くないけど、練習でベストを尽くし、ロッカールームでコミュニケーションを取り、コート上の会話も増やし、ベテランが若手をサポートして、分からないことがあれば改善する。まだまだやることは多いし、いずれ困難に直面することもあるだろうけど、今のエネルギーを維持して乗り越えるつもりだ」