「もしニックスが彼を評価しなくても、彼を獲得したいと思うチームがたくさんあることを僕は知っている」
昨シーズン、ニックスに所属しフランス代表のエースシューターであるエバン・フォーニエは、シーズン中盤から構想外となり、27試合出場、平均6.1得点に留まった。
NBA通算で672試合出場、平均14.0得点と申し分のない実績を誇るフォーニエは、まだ30歳で体力的な衰えもない。だが、トム・シボドーヘッドコーチ体制のニックスにおいては引き続きローテーション外で、多くのプレータイムは望めない状況だ。フォーニエとしては新天地を求めたいところだが、今シーズン約1900万ドル(約28億円)の高額年俸が足枷となっているのか、トレードも起こらず開幕を迎える可能性が高い。
そんな苦しい状況の中、フォーニエは週末に行われたティンバーウルブズとのプレシーズンゲームで、19分出場、3ポイントシュート6本中3本成功の15得点と存在感を示した。フォーニエとフランス代表の同僚だったウルブズのルディ・ゴベアは、ニックスのフォーニエに対する飼い殺しの対応に疑問を呈している。『New York Post』の取材に対してゴベアは、一人の友人として、フォーニエが今の苦しい状況から抜け出すことを願うコメントをしている。
「彼はニックスのベストシューターだ。純粋に3ポイントシュートに関しては彼が一番だと思う。彼は多くのチームを助けることができると思う。誰もがそれを知っている」
「(フォーニエの待遇が)敬意に欠けると感じるのは残念なこと。コーチと望むようなコミュニケーションを取れていないと、物事は良くない方向に進むものだね。これから状況が改善されることを望んでいる」
「(試合で)彼はとても調子が良さそうだった。もし、ニックスが彼を評価しなくても、彼を獲得したいと思うチームがたくさんあることを僕は知っている。そして、彼は勝者であり、素晴らしいチームメイトだ。彼は努力を続けているし、それはこれからも変わらない。良いことがいずれ起こるよ」
今年の『FIBAワールドカップ2023』でまさかのグループリーグ敗退を喫したフランス代表にとっても、エースシューターのフォーニエが構想外となったチームに所属し、コンディションと試合勘を失ったままパリオリンピックを迎えることは大きなマイナスとなる。フォーニエが新天地を見つけられるかどうかは、彼自身のキャリアだけでなくフランス代表にも大きな影響を与えるだろう。