デイミアン・リラード

22分の出場で14得点「ちょっと錆び付いていた」

デイミアン・リラードが、チームの3試合目となった現地10月15日のプレシーズンゲームで新天地バックスの一員として初めてプレーした。レイカーズを相手に、22分のプレーでフィールドゴール10本中3本成功、3ポイントシュート2本成功にフリースロー6本成功で14得点。2リバウンド3アシスト4スティールというのがバックスでのデビュー戦でのスタッツとなった。

新しいアリーナに新しいチームメート、そして何よりトレイルブレイザーズのものではない新しいユニフォーム。そんな環境での『試運転』だけになかなかリズムは上がらず、卓越したスキルを見せるシーンはあっても『デイム・タイム』と呼ばれる勝負強さを披露する局面はなかった。

「プレシーズン最初の試合では、どれだけ準備をしても試合の感覚はやっぱり違うと感じるものだから、ちょっと錆び付いていた部分はあった。それでもリラックスしてプレーできた」とリラードは言う。

ヤニス・アデトクンボとのコンビネーションも初披露。これもまだまだ本格運用とはいかなかったが、良い可能性は見えた。「試合の序盤に相手がプレッシャーを掛けてきた時には彼にボールを預けた。試合を通してやってもいいぐらいだよ。そうやってお互いにサポートし合ってメリットを生み出していく。僕からヤニスを経由して他の選手にチャンスを作ることもあった。クリス(ミドルトン)が復帰すればまた変わってくる。たくさんの選択肢があって、それを武器にしていくのを僕らみんなが楽しんでいるんだ」

相棒だったCJ・マッカラムが放出された後のこの数年、ブレイザーズのタレントは限られていただけに、バックスでは攻めの選択肢がかなり増えるはず。それをこれから築き上げるのをリラードは楽しみにしている。

選択肢が多ければ正解を見いだすのは難しくなり、ケミストリーを築く難易度も上がるが、リラードは「慣れるには時間がかかるだろうけど、決断するのに時間はいらない」と心配していない。「パスをするという選択は瞬時に下すし、そこで『良い感じだ』と思うことができた。そういったプレーを一つひとつ積み重ねていけば、いずれ何かが生まれる。僕はそうやって多くの試合に勝ってきた」

初めての移籍、新しい環境でも彼が不安を抱えず落ち着いていられるのは、トレイルブレイザーズを長く率いたテリー・ストッツの存在が大きい。現在はアシスタントコーチを務めるストッツの存在を、リラードはこう語る。「このチームはヤニスにすべてを任せようとはしない。彼の1対1を眺めているだけじゃないんだ。テリーと僕は9年間一緒に戦ってきた。その彼がこのチームのオフェンスを作り上げている。新しい環境で彼とまた一緒にやれることは、僕にとって大きな助けになる」

この先には困難が待ち構えていることを理解しつつも、リラードは平常心を保って一歩ずつ進んでいくつもりだ。「これから良い時も悪い時もあるだろうけど、試練の中で一緒に時間を過ごす中で、僕たちは本当の意味でお互いを知ることができる。本当の団結や絆は、そうやって生まれるんだ。本当の意味でチームとして一つにまとまるには時間がかかる。でも、そのために必要なことを一つずつこなしていくつもりだ」