「日本代表で得た自信を胸にトレーニングキャンプに」
2023-24シーズン開幕に向け、新生サンズがトレーニングキャンプをスタートさせた。昨シーズン途中にマット・イシビアが新たなオーナーになってから、サンズは激変を続けている。2月にはミケル・ブリッジズを始め複数の主力と引き換えにケビン・デュラントを獲得。今オフにはサンズを優勝争いのできるチームへと引き上げたクリス・ポールとディアンドレ・エイトンを放出し、ロールプレーヤーまで大胆に入れ替えた。
トレーニングキャンプ参加メンバーの18人のうち、昨シーズンから継続してサンズにいる選手はデビン・ブッカー、デュラントなど数人のみで、元キングスで7月に加入が決まったチメジー・メトゥが「僕はどちらかと言うとこのチームの古株だ」とジョークを言ったぐらいだ。まさに全く新たなチームとなったサンズには、渡邊雄太も名を連ねている。
ネッツとの契約が満了となった渡邊は、フリーエージェント解禁初日にサンズとの1年契約にサインした。ドラフト外でグリズリーズに加入した2018年からラプターズとネッツを経て、これでNBAキャリアで4つ目のチームとなる。昨シーズンのネッツではデュラントなどスーパースターを支える役割を演じ、3ポイントシュート成功率44.4%でチームに貢献したことで評価を確立し、28歳にして初めて保証された契約を得て今シーズンに臨んでいる。
ワールドカップを戦ったことでオフは短いものとなったが「痛めた足首は問題ない」と渡邊は言い、日本代表でプレーする意義をフェニックスの記者たちにこう説明する。「夏に高いレベルでプレーすることは、僕にとっても日本のバスケットボールにとっても良いチャンス。日本代表で得た自信を胸にトレーニングキャンプに臨むのが楽しみだ」
地元の記者たちが期待するのはエースの一人であるデュラントとの連携がすでに出来上がっていること。渡邊は「僕がサンズと契約した理由の一つはKD(デュラント)の存在だ」と言い、こう続ける。「彼がトレードされて寂しかったけど、こうしてまた一緒にプレーできてうれしいよ。ネッツでは良いケミストリーを見せてきたから、ここでも良いプレーを続けたい」
どんなプレーでチームに貢献すべきか、そのスタイルはネッツですでに確立してある。「ウチにはブック(ブッカー)、ブラッド(ブラッドリー・ビール)、KDといつでも得点できる選手がいる。相手チームが彼らにダブルチームを仕掛けた時、僕が3ポイントシュートで脅威になれれば、彼らのプレーを助けられる」
新しいチーム、新しいメンバーで、まずはチーム内競争が始まる。絶対的なエースであるデュラントとは違い、渡邊はここからチームの信頼を勝ち取り、プレータイムを確保しなければならないが、これまでもずっとサバイバルを勝ち抜いてきた渡邊には余裕がある。「良い選手が多いからプレータイム争いのレベルは高く、厳しい時期が何度も来るだろうね。でも僕たちは同じチームなわけで、サポートし合って、お互いのためにプレーする。そんな競争を楽しみたい」
NBAキャリア6年目、渡邊雄太はプレーヤーとして完成の域に近付きつつある。優勝候補の筆頭格であるサンズでどんなパフォーマンスを見せるか、楽しみなシーズンが始まる。
Almost that time… 🔜
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— Phoenix Suns (@Suns) October 1, 2023