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終盤のチームオフェンスが機能せず勝利を逃す

32勝11敗で西カンファレンス3位のロケッツが東カンファレンス下位に沈むヒートと対戦した。ロケッツは1試合平均14得点のライアン・アンダーソンがインフルエンザで欠場する苦しい布陣の中、エースのジェームズ・ハーデンがシーズン13回目のトリプル・ダブルを記録する。しかし、終盤にアウトサイド一辺倒となったシュートがことごとく外れて走られたロケッツが自滅する展開となった。

序盤から両チームともアップテンポなバスケットを展開。だが軽率なパスミスで主導権を渡したり、ノーマークの状況を作りながらシュートを落とすなど波に乗れない。大きなランが発生しない一進一退の攻防を繰り広げ、79-79の同点で最終クォーターに突入した。

アウトサイドシュートの精度が上がらないロケッツは、そのリバウンドから速攻を決められ5点のビハインドを背負うも、休ませていたハーデンをコートに戻すとすぐさまハーデンのペネトレイトを中心としたオフェンスから6-0のランで逆転に成功する。

だが、その後はヒートのディフェンスを崩すことができないまま1on1からのタフショットが増えていく。パスを経由せずにリズムの悪い状態で放つシュートはリングに弾かれ続けた。

ハーデンは今月に入って5度目のトリプル・ダブルを記録しでチームを牽引したが終盤に失速。ヒートを相手に勝ちを取りこぼした。

強みの外角が敗因へと姿を変えたロケッツ

ロケッツとは対照的にディフェンスからリズムを掴んだヒートはゴラン・ドラギッチが素早いトランジションを作り出し、タイラー・ジョンソンが連続で速攻を決めて波に乗る。

ハーデンがドライビングレイアップで得点するも焼け石に水、その後も弱点のディフェンスを露呈し失点を重ねた。残り1分12秒、ターンオーバーからジェームズ・ジョンソンにワンマン速攻を決められ、94-107とほぼ勝負を決められた。最終スコア103-109でヒートが勝利している。

ドラギッチがチームハイの21得点、ハッサン・ホワイトサイドが14得点15リバウンドとインサイドの強さを発揮した。またベンチプレーヤーの3人が2桁得点を挙げるなど的を絞らせないオフェンスを展開した。

敗れたロケッツはハーデンが40得点12リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを記録するも、チームで2番目に高い平均17.9得点のエリック・ゴードンが3ポイントシュートを10本中1本の成功で7得点と精彩を欠いた。チームとしても平均40%を誇る3ポイントシュートの成功率が23%とあっては勝利は難しかった。

ヒートは連敗を4でストップ。欠場を余儀なくされているクリス・ボッシュの影響は小さくはないが、それでもホワイトサイドが大黒柱に成長している。2桁得点を挙げる選手が8人いるバランスの良さを生かし浮上のきっかけを掴みたい。

終盤の怒涛のランを演出したドラギッチ。自身もチームハイの21得点を記録し、勝利の立役者となった。