マルコム・ブログドン、ロバート・ウィリアムズ三世、1巡目指名権2つと交換
デイミアン・リラードの移籍が決まってから4日後、この交換条件としてバックスからトレイルブレイザーズにトレードされたドリュー・ホリデーが、再びトレードされた。行き先は東カンファレンスにおけるバックスのライバル、セルティックスだ。
セルティックスは今オフにインサイド強化のためクリスタプス・ポルジンギスを獲得。この際の交渉で一度はマルコム・ブログドンを放出するはずだったが、身体検査をパスできずに移籍はまとまらず。ブログドンは、セルティックスでシックスマン賞を受賞した自分を1年で放出しようとしたことに不満を持っていたと言われる。結局、ポルジンギス獲得のためにマーカス・スマートを放出。ポイントガードの層が薄いままシーズンに入ろうとしていた。
そんな状況で訪れたホリデー獲得のチャンスをセルティックスは逃さず、ブログドン、ロバート・ウィリアムズ三世、2024年と2029年の1巡目指名権との交換でホリデーを獲得した。
ホリデーは33歳と若くないし、2年7500万ドル(約100億円)と大きな契約を残してもいる。ベテランに対して主力2人に1位指名権2つは過剰と見る向きもあるし、ジェイレン・ブラウンのスーパーマックス契約が来シーズンから始まり、その1年後にはジェイソン・テイタムもそれに続くセルティックスにとっては、サラリーキャップ的にもかなり厳しいチャレンジとなる。スマートに続きウィリアムズ三世と、ファンに愛された選手の退団が続くことにもなる。
それでも、ホリデーはディフェンスに長けたポイントガードとしてリーグで最も優秀な選手の一人で、2021年のバックスにNBA優勝をもたらしたキーマンでもあり、誰もが認める『良きチームメート』だ。セルティックスはそんな彼の獲得を迷わなかった。バックスでリラードとヤニス・アデトクンボの超強力デュオが誕生したことへの危機感も強かったのだろう。
一方でブレイザーズは、フランチャイズ史上最高のプレーヤーだったリラードを失うことにはなったが、ブログドンとウィリアムズ三世、ディアンドレ・エイトン、トゥマニ・カマラ、2024年に1つと2029年に2つの1巡目指名権、2028年と2030年にバックスとのスワップ権を手に入れた。シェイドン・シャープとスクート・ヘンダーソンがリラードとCJ・マッカラムの時代を引き継ぐバックコート・コンビとなり、フロントコートにはエイトンとウィリアムズ三世がいる。今回のトレードで、再建のスタートをさらに良いものに仕立て上げた。