リラードを軸にした三角トレードでブレイザーズ加入も、若返りの方針に合わない
3チームが絡んだ大型トレードによるデイミアン・リラードのバックス加入はリーグ全体に大きな衝撃を与えた。だが、このトレードの余波はまだ続いている。これから注目を集めるのはリラードとの入れ替わりで、トレイルブレイザーズに移籍した司令塔のドリュー・ホリデーの去就だ。
ホリデーは33歳のベテランであり、若返りを推し進めるチームの方針とは合わない。また、彼は昨シーズン平均19.3得点、7.4アシスト、5.1リバウンドを記録し、自身3度目となるオールディフェンシブファーストチームに選ばれた攻守のバランスが取れたトップガードの1人だ。来シーズンがプレーヤーオプションと契約の残り年数も少なく、今シーズンに優勝を狙うチームにとってはこれ以上ない即戦力となる。また、ブレイザーズとしてもホリデーは再トレード込みで獲得したはずであり、リラードの時のように交渉が長期化することはないだろう。
即戦力のガードを求める上位チームとして、ホリデーの行き先の有力候補に挙げられるのはルーキーイヤーから4シーズン在籍したセブンティシクサーズだ。契約交渉における不信感からダリル・モーリー球団社長を「嘘つき」と断罪し、チームとの決別を宣言しているジェームズ・ハーデンとのわだかまりを解消できていないシクサーズにとって、若手有望株のタイリース・マクシーと先発ガード陣を組む相棒としてホリデーは打ってつけの存在だ。また、大物ガードを確保できれば、ハーデンのトレード話が進展するかもしれない。
相思相愛と言われていたリラードを逃したヒートも、当然のようにポイントガードが補強ポイントであり、ホリデーの獲得に乗り出すだろう。リラードのような圧倒的なオフェンス力はないが、守備面では大きく上回っており、チームのスタイルを鑑みてもホリデーはうまくフィットするだろう。
また、刺激的な情報を提供しているのが、『ESPN』のブライアン・ウインドホースト氏で、ウォリアーズがトレードで獲得したクリス・ポールを再びトレードに出し、ホリデーの獲得に動く可能性はあり得ると主張する。「(スティフン)カリーは、ポールのような選手とバックコートの選手とチームメートになったことはない。ホリデーのようなスキルを持った選手と一緒になったこともないが、ホリデーはポールより5歳若い」
ウォリアーズ首脳陣のここまでのポールに関する高い評価を聞く限り、ポールの放出は非現実的と思える。しかし今回、リラードのバックス移籍は大半の人が予想できなかった。多くの選手にとって一寸先は闇なのがNBAであり、再び近日中に衝撃トレードが起こり得るかもしれない。