タレントは揃った。目指すは一路チャンピオン!
日本のエース・河村勇輝を軸に、2021-22シーズンのリーグ15位から、天皇杯ベスト4、チャンピオンシップセミファイナル出場と大躍進。昨シーズンNo.1のサプライズチームが横浜ビー・コルセアーズであることに議論の余地はないだろう。
今シーズンさらに上の成績を目指すチームには、4名の選手が加入した。アウトサイドでも制限区域内でも高確率でシュートを決められ、外国籍選手へのスイッチが可能な2メートル近い身長を備えた杉浦佑成と西野曜。インサイドの強いジョシュ・スコット。河村のピック&ロールに心地よいスペーシングを与える生粋のストレッチビッグのジェロード・ユトフ。3ポイント試投割合リーグ9位と比較的3ポイントシュートの多いチームでありながら、リーグワースト4の決定率に終わった昨シーズンに対するテコ入れがうかがえる補強だ。ディフェンスにおいては、リーグ9位のディフェンシブレーティング(100回攻撃されたと仮定した場合の平均失点)と決して悪い数値ではなかったが、ディフェンス能力が高いスコット、杉浦、西野を獲得してさらに底上げ。優勝するための陣容を着実に固めている。
河村のピック&ロールを主体にオフェンスを組み立てるとすると、スペーシングが維持できる布陣で戦うことが予想される。ロスターが昨シーズンと同等の活躍をしたと仮定すると、2ポイント試投割合やフリースローを獲得する割合が合わせて4%ほど減少し、その分3ポイント試投割合が上昇する。あわせて、アシストから得点につながった攻撃の割合も60%を超える予測値が出ており、シューター陣を配置する戦略は合理的と言えるだろう。若干の課題となったオフェンスを改善するためには、河村のパスを確実に得点につなぐことが重要である。
所属選手一覧
『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』
※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。
河村勇輝
平均19.5得点、8.5アシストというスタッツを挙げ、ルーキーシーズンでありながらレギュラーシーズンMVPを受賞。ワールドカップでは、NBAオールスターのラウリ・マルカネンの上から3ポイントシュートを決め、元NBAオールスターのアイザイア・トーマスから大絶賛を受けた、もはや説明不要な日本のエース。私が個人的に計測しているPER(出場1分あたりのプレー効率性指標)においてもリーグ9位を記録している超高効率プレーヤーだ。3ポイントシュートやリム周りのショットだけではなく、トップ・オブ・ザ・キーからのミッドレンジショットを53%という確率で決められることも素晴らしく、河村のピック&ロールを安易にドロップディフェンスで守ることができない要因になっている。横浜BCブースターが最も危惧することは、恐らく不調やケガではなく海外クラブからのオファーであろう。
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【注目選手】
森井健太
平均17分の出場で4.9アシスト、強度が上がるチャンピオンシップにおいても平均6アシストという数字が示す、卓越したプレーメイク能力を持つ選手。コート上で常に味方に指示を出す姿はまさに司令塔だ。河村の全開プレーに味方が付いていけないときや、若さから若干の空回りを見せたときに投入されるときなどに、ゲームの流れを変える存在で、ディフェンス能力も高い。チャンピオンシップでは河村と同時にコンボガードとして出場し、負担のかかるフロントコートへのボール運びや、相手ガードに対するディフェンスを担当。河村をオフェンスに集中させ、チームの躍進を支えた。
ジェロード・ユトフ
シーホース三河から京都ハンナリーズに移籍した昨シーズンは、全試合にスターターで出場し、平均プレータイム・平均得点がアップ。ストレッチビッグとしての本領を発揮し、3ポイント試投数も2倍以上に増加した。試投本数が増えているにもかかわらず決定率が34%から35%に上昇している点も素晴らしい。オフェンス面でのスタッツが目立つが、7フィート近いウィングスパンを生かしたドロップディフェンスやディフェンスリバウンドなどでも力を発揮する、ディフェンス面での活躍も期待できる選手である。