馬場雄大

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

優秀選手に選ばれるも「次はMVPを取りたい」

昨日行われたオールスターゲーム、B.BLACKのスタメンとして出場した馬場雄大は、MVPこそ逃したものの大会の主役として大きな存在感を見せた。24分の出場で23得点、決めたダンクは6本。これはギャビン・エドワーズ、ジェフ・ギブス、ロバート・サクレの5本を上回るゲームハイの数字で、『オールスターの華』であるダンクで大会を盛り上げた。

「周りの先輩方が『お前の舞台だ』、『思い切りやれ』と言ってくれたおかげです。空いている時は全部狙いました。富山での開催ということで特別な思いもあったので、そこは自分がという思いでした」と馬場は言う。

自身の代名詞であるダンクは「空いている時は全部狙いました」と連発。オールスターは真剣勝負ではないし、アップの時間も十分に取れないため、ダンクを狙うことにはリスクもある。それでも馬場は「田臥(勇太)さんとか(田中)大貴さんとか、みんなに『ダンクだけやっとけ』と言われたので、その通りに(笑)」と渾身のダンクを決め続けた。

「強いて言えば、スティールからのダンク、僕の一番得意な形が一本もなかったので、そこが心残りですね」と振り返るのがプレー面。加えて言えば、MVPを取り損ねたことが馬場の負けん気に火をつけている。「正直、狙っていました。オールスターの独特の雰囲気でスタートして、やっぱりどうプレーしたらいいか分からない部分もあったので。でも今回は経験できたので、次はMVPを取りたいと思います」と、早くも次回のMVP宣言が飛び出した。

馬場雄大

「真剣勝負もアリ、楽しむこともアリ」

地元の富山でのオールスターを、馬場は「あまりこういう『楽しむバスケ』をしてこなかったので」と苦笑混じりに振り返る。「プロになって新しい経験をこの富山県でできてありがたいと思います。こういうバスケットもあるんだよって、楽しむことが一番だと思うので、真剣勝負もアリ、楽しむこともアリというエンタテインメント性は良いと思いました」

「富山でMVPを取れなかった悔しさを、次のオールスターに繋げたいと思います」と馬場は言う。プロ1年目にしてBリーグ優勝を果たし、日本代表にも定着。良い経験も悪い経験もすべて成長の糧にする馬場の今後がますます楽しみだ。