伊藤GM「彼の持っている高いスタンダードがチームに良い影響を与えてくれる」

9月26日、長崎ヴェルカが馬場雄大の入団記者会見を開き、馬場と伊藤拓摩GMが登壇した。

まず、伊藤GMが馬場の入団経緯について説明した。伊藤GMと馬場は2019-20シーズン、Gリーグのテキサス・レジェンズでアシスタントコーチと選手としてチームメートになったことをきっかけに、コンスタントに連絡を取り合う間柄に。伊藤GMは馬場の目標がNBA入りであることを知っていたため、2021年に長崎のGM(当時はヘッドコーチと兼任)に就任後もオファーは出さなかったという。しかし、ワールドカップ終了後、今シーズンは国内も視野に入れているという本人の意向を聞いたことで、代理人を通じて入団をオファー。馬場をお忍びで長崎に招き、街やクラブについて様々なプレゼンテーションを行った結果、今回の契約が実現したという。

前述のとおりNBAという目標を持つ馬場は、これを実現する最大のチャンスとして来年のパリ五輪を見据えており、前年にあたる今シーズンの過ごし方を重要視している。伊藤GMは「彼のこのシーズンに懸ける思いを聞き、長崎ヴェルカに来ることでどれだけ選手、人間として成長できるのかということを話し合わせてもらいました」と明かし、「その上で彼が長崎に決めてくれたというのは我々として本当にうれしいこと。長崎ヴェルカにとってエキサイティングで素晴らしいシーズンになるんだろうなと思っています」と続けた。

続けてマイクをとった馬場は以下のようにスピーチした。「こうしてBリーグに戻って来ることになったからには、もちろん優勝を目指してやっていきたいです。それと同時に、僕にはNBA選手になりたいというバスケットボールを始めた頃からの目標があって、これを常に考えてきたから今の僕があると思っています。長崎ヴェルカには拓摩さんや中山トレーナー(中山佑介ディレクター・オブ・スポーツパフォーマンス)など、バスケットボールで世界一と言われる国の経験を持った方も多く、このチームがパリ五輪に向けて最も自分が成長できる環境だと思い、選ばせていただきました」

馬場のスピーチを受け、伊藤GMが再び発言。馬場が筑波大、アルバルク東京、メルボルン・ユナイテッド(オーストラリアNBL)で優勝を経験していることに触れ、「スタンダードの中で『優勝』が当たり前の選手です。彼の持っている高いスタンダードが長崎ヴェルカに良い影響を与えてくれるんじゃないかというふうに思っています」と話した。

「絶対に見てほしいプレーは?」との問いに対して馬場は、「国内外で『BABA BOOM』と呼ばれているダンクシュートは見ていただきたいですが、今シーズンに懸ける思いは本当に強いので、今までにない、新しい馬場雄大を見せていきたいです」と、プレースタイルの変化をうかがわせるコメントを発した。また、ホーム開幕戦となる10月8日の千葉ジェッツ戦については、ワールドカップ中に負ったケガの状況次第としつつも「ジェッツさんは今ではもうBリーグの顔といっていいチームだと思うので、チャレンジャー精神を忘れずにチーム一丸となってやっていきたい。開幕戦に向けてベストな準備をしたいです」と話した。