エドワーズ、スミス、ローらの退団で、最強オフェンスの行方やいかに?
2022-2023シーズン、53勝7敗でBリーグ史上最高勝率となる88.7%を記録し、圧倒的な強さを見せた千葉ジェッツ。ほぼすべての日本人選手との契約を継続し、大学生ながら日本代表に選出された金近廉とも新規契約を締結。しかし、帰化選手のギャビン・エドワーズが宇都宮ブレックスへ、2ポイントシュート55%、3ポイントシュート36%の決定率を誇るヴィック・ローが琉球ゴールデンキングスへ、リーグ1位の得点期待値(その選手で攻撃が終わった場合の平均得点)1.23を叩き出したクリストファー・スミスがオーストラリアリーグへ移籍と、帰化枠・外国籍選手枠はほぼ総入れ替えとなった。
高いオフェンスリバウンド獲得率と、フリースローを含む得点に対するアシストの割合がリーグで2番目に低いことからもわかる通り、千葉Jはセカンドチャンスからの得点と1対1からのスコアリング確率が高いチームで、オフェンシブレーティングはリーグ1位だった。これらの一翼を担っていた選手たちが退団することの影響が懸念されたが、ユーロカップ(ユーロリーグのセカンダリーレベル)のオールファーストチームに選抜されたフォワード、ディー・ジェイ・ステフェンズと、ヴァージニア工科大学時代に巧みなステップワークとボディバランスで平均13得点を挙げたジャスティン・マッツというポイントゲッターを獲得。さらに、大阪エヴェッサ時代にチーム全体のオフェンスリバウンドのうち17%を獲得していた帰化選手のアイラ・ブラウンを補強し、オフェンスリバウンドの優位性を維持。異次元の攻撃力は今季も健在だろう。
ロスターが昨シーズンと同等の活躍をしたと仮定した場合、各ショットの試投割合はほぼ横ばい。昨シーズンと同様に3ポイントシュート主体のオフェンススタイルになることが予想されるが、決定率の予想値が若干下がるため同様の戦略を取るかは未知数だ。ステフェンズの突破力を活用したオフェンスを展開する可能性もあるだろう。ユーロリーグ1のディフェンスチームを作り上げたジョン・パトリックヘッドコーチが、昨年に引き続き安定したディフェンスを築いてくれるはずである。
所属選手一覧
『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』
※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。
富樫勇樹
USG%(その選手でオフェンスが終わった割合)でチームトップの18.9%を誇る、ワールドカップでも大活躍したスコアリングガード。トップからの3ポイントシュートの成功率が38%と高く、ディフェンスが一瞬でもアンダーすると即刻放ってくるこのシュートは全チームの脅威となるだろう。ペイントエリア内の決定率は比較的高くないので、ドライブからのショットよりもアシストに要注意である。
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【注目選手】
原修太
元来ディフェンスに定評のある選手ではあったものの、コーナーにいる選手のディフェンス能力を重要視するパトリックヘッドコーチのもとで大きく躍進。リーグのベストディフェンダー賞を受賞し、先日行われたワールドカップにおいてもスターターとして活躍。チャンピオンシップファイナルで見せた、アレン・ダーラムにスイッチし、制限区域にすら侵入させなかったディフェンスは圧巻であった。
ディー・ジェイ・ステフェンズ
2022-23のユーロカップにおいてファーストチームに選出されている選手。3ポイントシュートは39%、2ポイントシュートは69.3%、得点期待値は1.19という数字を挙げたアスレティックなフィニッシャータイプのフォワード。キックアウトパスを受けての3ポイントシュートや、ドライブに合わせたカッティングからのフィニッシュなど、最後にボールを回せば得点が約束されている選手。抜群の身体能力から繰り出されるダンクシュートは一見の価値あり。