課題のオフェンスのカギを握るのは阿部、ブース、新加入のゲルンか
B1復帰初年度となった昨シーズンは19勝41敗と苦しい成績に終わった仙台89ERS。主力のケガが相次ぎ、特に平均17.0得点、7.5リバウンド、1.7スティールを誇った攻守の要、ラショーン・トーマスの離脱が大きく響いた。
藤田弘輝ヘッドコーチが掲げる仙台のスタイルは『強固なディフェンスバスケ』。昨シーズンは20節時点までディフェンシブレーティング(100回攻撃された場合の平均失点)でリーグ9位(最高2位)に位置し、ディフェンスではチャンピオンシップ出場圏内の数字を挙げていた。特に被2ポイント試投割合がリーグ6位と高いにもかかわらず、被2ポイント決定率がリーグで7番目に低く、ディフェンスリバウンド獲得率もリーグ3位と高順位。3ポイントシュートを打たせず、インサイドに誘い込み、落ちたショットを確保する理想的なディフェンスができていたといえるだろう。
今シーズンは既存選手との継続路線をとるとともに、ディフェンシブプレイヤーのヤン・ジェミン、島根スサノオマジックでエースキラーとして活躍していた3&Dプレーヤーの阿部諒、スペイン1部リーグから機動力のあるハードワーカーのヴォーディミル・ゲルンの獲得など仙台らしいディフェンスに振り切った補強となっている。
課題はオフェンスだろう。昨シーズンは難易度が高いとされているミッドレンジからの試投割合が高く、2ポイント決定率がワースト5位となっていた。この課題を受けて今シーズンは3ポイントシュート並びにリング周りのショットを増やすことが予想されるが、同じように2ポイント路線を継続するとしたら、ミッドレンジを得意とするゲルンにボールを預けたい。3ポイント決定率もリーグ15位とリーグ中位であったが、直近3シーズンで平均36%の決定率を誇る阿部、昨シーズン38.3%のハイアベレージを叩きだしたネイサン・ブースのアテンプトを増やすことで解消していきたい。
所属選手一覧
『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』
※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。
小林遥太
昨シーズンは42試合でスターター出場。ウィングや左コーナーからの高い3ポイント決定率(33.6%)と、ディフェンスとの駆け引きから繰り出されるアシスト、粘り強いディフェ ンスを武器に戦うベテラン選手。名古屋D時代と比較するとプレータイムも3.4倍に増加。仙台で花開いた選手と言えるだろう。
【注目選手】
青木保憲
筑波大学時代には、馬場雄大、杉浦佑成といったスター選手をまとめるキャプテンとして活躍していたが、プロキャリアにおいてはプレータイムに恵まれず、平均出場時間が10分を超えたのは4年目の2021-2022シーズンのみ。昨シーズン途中で移籍した仙台でプレータイムを約2倍に伸ばし、スターターに定着した。プライマリーボールハンドラーとして得点にも絡み、各種スタッツも2倍以上上昇。キャプテンを任された今シーズンは飛躍のシーズンとなるだろう。
ヴォーディミル・ゲルン
スペイン1部リーグCoosur Real Betisのスターターとして30試合に出場したセンター。USG%(その選手でオフェンスが終わった割合)は15.8%で、チームのファーストオプション、セカンドオプションを多く任されていた。3ポイントシュートこそ打たないものの、2ポイントシュートのショットレンジは広く(決定率58%)、特にミッドレンジを得意としている点で、ピック&ロールのロールマンとして戦略の幅を広げられる選手である。オフェンスリバウンド獲得率も高く、昨シーズン低迷したポゼッションあたりの得点効率を高めてくれるだろう。
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