功労選手の退団やクラブ初の外国人コーチなど新たな方向に舵を切る

大型補強で臨んだ昨シーズンだったが、28勝32敗でレギュラーシーズンを終え、プレーオフのクォーターファイナルで敗退となった。クラブ創立10周年となる今シーズンに向けて、今オフも積極的に動いてきたが、まず福島にとって大きなトピックとなったのは、長らくチームを支えてきたガード陣、友利健哉の引退と村上慎也の退団だろう。痛みを伴った改革となったが、同ポジションでは熊本ヴォルターズから田渡凌とさいたまブロンコスから加藤嵩都を獲得した。さらにアジア特別枠でフィリピン人ガードのロバート・ボリックを獲得し厚みが増した印象だ。他にも光るものがあるがB1チームで多くの出場機会を勝ち取れていなかった多田武史や林翔太郎を獲得して盤石のロスターを組んでいる。昨シーズン終盤にチームに合流したエンリケ・スニガスーパーバイジングヘッドコーチがアシスタントコーチから昇格する形で指揮を執り、昨シーズンからの継続性も望める期待の新シーズンが始まる。

昨シーズンは、連勝と連敗を繰り返す不安定さがあったが、徐々にディフェンス力が向上してきた印象がある。今シーズンもまずはディフェンス力を発揮して安定的な試合運びをしていきたいところ。オフェンス面では日本人選手の得点が鍵を握るだろう。外国籍選手で得点できない時間帯にいかに奮起できるか注目だ。特に若手選手のステップアップに期待したい。

所属選手一覧

『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』

※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。

田渡凌
昨シーズン、熊本では半数近くの試合で先発出場し、司令塔としてチームを牽引。今シーズンはキャプテンに就任し、コート上だけでなく多くの場面で注目が集まる。昨シーズンのハイが20得点とスコアリング能力にも期待されるが、アシストやゲームコントロールなどガードとして必要な能力を兼ね備えているので中心として活躍が見込まれる。

【注目選手】

菅野翔太
昨シーズンはセカンドユニットで全試合に出場し、高確率の3ポイントシュートと堅実なディフェンスでチームを支えた。チーム創設時から所属していた村上が退団となり、チームの最長在籍年数となった今シーズン、チームへの想いがより一層強くなった菅野の活躍に期待だ。

グレゴリー・エチェニケ
昨シーズンはチームトップの平均18.3得点を記録。オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントは相手の脅威となるのは間違いない。スクリーナーとしても献身的な働きを見せ、シューター陣が思い切りよくアウトサイドシュートを打つためにもエチェニケの奮闘が不可欠となる。

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