文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

土日で約1万5000人の観客を集めた『ALLSTAR WEEKEND』

土曜の『日韓戦』と日曜の『オールスターゲーム』が組まれた『ALLSTAR WEEKEND』は大盛況のうちに幕を閉じた。両日ともに多くの観客が代々木第一体育館に足を運び、全員と言い切っていいぐらいの人が満足して帰路に就いたはず。開幕から3カ月半が経過したBリーグに、新たな推進力をもたらした週末と言えるだろう。この両日を写真で振り返る。

土曜の『EAST ASIA CLUB CHAMPIONSHIP』では、川崎ブレイブサンダースが韓国の安養KGCと対戦した。コートに出るキャプテンの篠山竜青。
川崎の勝因は、北卓也ヘッドコーチとマスコットのブレイビーの立てた作戦!?
一夜明けた日曜昼、『オールスターゲーム』としての舞台が整った代々木第一体育館。
コート上でスマホで撮影する富樫勇樹と田口成浩。3年前まで秋田でプレーした富樫にとって田口は元チームメートだ。
顔が写っていないが、ファンと集合写真を撮っているのは川村卓也。川村は試合中も試合前後も一貫して笑顔をふりまきファンとのコミュニケーションを取っていた。
『3ポイントシュートコンテスト』2ndステージ、金丸晃輔の『ザ・ラストショット』。コンテストでは2位に終わり、オールスターゲームでは敗れるという結果に。「勝ったと思っていました。まさか逆転されるとは。今までのオールスターで一番楽しかったです。勝てていればもっと楽しかったです」と語った。
『ダンクコンテスト』予選、アイラ・ブラウンは元チームメートの竹内譲次の力を借りて、ショットクロックに当てて落ちてくるボールを叩き込む豪快なダンクを披露。決勝ではジャスティン・バーレルを破り、見事優勝を果たした。
いよいよ試合開始。ティップオフ直前には観客全員参加のコレオグラフィーで選手の士気を高めた。
総合格闘技に負けない派手な演出がなされた選手入場。張本天傑は音楽に合わせてダンスを披露した。
その勢いでダンクも披露しようとするが、これは失敗。見守る田臥勇太も思わず笑顔。
ニック・ファジーカス、ライアン・ロシター、トーマス・ウィスマンの3人も、リーグ戦とは違って表情が和やか。
『B.WHITE』キャプテンのディアンテ・ギャレットは、激しいプレッシャーの来ない試合とあって、卓越したハンドリング技術と伸びのあるドライブを思う存分に披露した。両チームで最長となる22分40秒のプレータイムを得て、こちらもゲームハイの27得点を挙げて大いに目立った。
ダンクを含む6得点と気を吐いたスピードスターの宇都直輝。「最高に楽しかったです。ダンクは試合中にやったことがなかったんですけど、オールスターで初めてやっちゃいました。城宝さんにご褒美をもらいます」とご満悦だった。
10分ほどのプレータイムで無得点に終わった五十嵐圭。「正直、得点は取りたかった」と悔やむ部分はあるものの、「たくさんのファン・ブースターの前でプレーできて良かった。楽しくやれた」と語った。
公約どおり「全部ダンク」とは行かなかったが、豪快なダンクで会場を盛り上げた熊谷尚也。6つのフィールドゴールのうち3本がダンクと奮闘し、大会後には大河正明チェアマンが独自に選んだ『チェアマンのMIP賞』を受賞した。
本来のアグレッシブさは見せず淡々とプレーしたライアン・ロシターだが、それでも要所では高いスキルを披露した。「ファンに楽しんでもらえたのが良かった。リーグのトップレベルの選手、対戦相手と一緒のチームでやれて楽しかった」と大会を振り返った。
「MVPを完全に狙ってたけど、2本くらい打って外して今日ダメだなって。シュートが入らなければああするしかないと、盛り上げるほうで頑張りました」と言う川村卓也。3ポイントシュートを7本打って無得点と『らしくなかった』が、それでもサービス精神満点のプレーで存在感を見せた。本人も「良いオールスターを経験できた」と喜んだ。
ダンクコンテストでは惜しくも決勝でアイラ・ブラウンに敗れて準優勝となったジャスティン・バーレルだが、オールスターゲームの中でコンテストを超えるダンクを連発。富樫の『たかいたかいダンク』のアシストもあり、大いに目立った。
『3ポイントシュートコンテスト』で優勝した田口。ところが、その後のゲームでは調子が出ず。それでも「自分が楽しんでる姿を見せれば楽しんでもらえると思いました」と言うように、試合を通じてハッスルして観客を盛り上げた。「盛り上げようとしたというより、お祭り男なので出ちゃいますね」と田口。これもまた稀有な才能だ。
5得点を記録した桜井良太は「もう少し爪痕を残したかった。もう少しガツガツいけばよかったけど、シュート打ってる人がたくさんいたので、違う印象を残せれば」と反省しきり。それでも「3月で34歳、もう少し早くリーグが始まってほしかったけど、現役中に始まってくれてそれは良かった」と語った。
今回のメンバーで唯一、土日の両日に参戦したファジーカス。Bリーグの得点ランキング首位を独走するスコアラーは、オールスターゲームでまさかのダンクを披露した。「バーレルに『お前、ダンクできないだろ』ってからかわれていたので、スティールからオープンになっていたので狙ったんだ」と驚きの一発の秘密を明かした。
勝敗は重要ではないにせよ、第1回のオールスターゲームを制したのは『B.BLACK』。富樫と田臥の6を筆頭に、脅威の31アシストを記録した。
岸本隆一は5得点を挙げるも、自分らしいプレーを見せる機会はあまりなかった。「試合前から楽しもうと思って、思いついたことをやろうと思っていたが、緊張してしまった。それでもバスケを純粋に楽しめる、すごく良い時間だった」と試合を振り返っている。
ヒルトン・アームストロングはアリウープを狙って盛んに動き出していたが、なかなかパスの出し手に意図が伝わらず、単独のダンクしか実現できなかった。それでもゲームを存分に楽しみ、両チームの選手からサインをもらって引き上げてきた。「この瞬間を忘れないために、思い出としてサインもらいました。これから全チームで頑張りますが、特に千葉の応援をお願いします」
大会MVPに輝いたのは富樫勇樹。16得点8アシストというスタッツもさることながら、誰よりもゲームを楽しみ、観客を沸かせたという点も含めて最高のパフォーマンスを見せたと言える。

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