キャメロン・ペイン

マイク・コンリーのバックアップを務めるガードを探す

今夏のキャメロン・ペインは『市場の原理』に振り回されてきた。得点力を武器にクリス・ポールの控えポイントガードとして活躍したペインは、サンズがスター選手を集めた余波で放出されることに。クリス・ポールをトレードで放出したためにペインが先発ポイントガードになる可能性もあったのだが、サンズは彼の650万ドル(約9億円)のサラリーも負担できなくなっていた。

サンズからスパーズにトレードされたものの、いまだ再建中のスパーズは若手を多く抱えすぎていてペインを必要としていなかった。こうして彼は解雇され、フリーエージェントとなった。

チームに忠誠を尽くし、コートに立つたびに結果を出してきたにもかかわらず、このような状況に追い込まれるのは彼にとっては理不尽だろうが、それがNBAの現実でもある。昨シーズンにケガもあってやや調子を落としたとしても、まだ29歳と衰える年齢ではなく、試合展開にかかわらずどんなプレーをすればチームに貢献できるかを正しく判断して遂行でき、不調だった昨シーズンでも平均20分の出場で10.3得点、4.5アシストを記録している彼の価値がゼロになるわけではない。

解雇が決まってからわずか数日で、ティンバーウルブズが彼に興味を示しているとの噂が流れている。ウルブズは昨シーズン途中のトレードでディアンジェロ・ラッセルを放出し、マイク・コンリーを新たなメインのポイントガードに据えた。コンリーはすぐにチームを掌握して素晴らしいプレーを見せているが、すでに35歳であり、優秀なバックアップが必要となる。ウルブズとしては契約のないポイントガードを何人かクラブ施設に招いてテストしていたところでペインがフリーになったとの一報が届いたのだから、見過ごすはずはない。

ペインはフェニックスのファンに愛されていた。トレードが決まった直後、ペインはファンに向けてSNSで「僕としてはまだサンズに残ってプレーしたかった。でも仕方ないね。サンズが勝負に出るなら尊重する」とメッセージを送っている。

それでも、彼の思い切りの良い攻撃的なプレースタイルとチームワークを尊重する立ち居振る舞いは、きっとウルブズのファンにも受け入れられる。彼の思い通りにはいかなかったかもしれないが、今回の移籍が彼のキャリアにとってプラスになる可能性は十分にある。