ジャレッド・バンダービルト

4年契約は『レブロン以後』も見据えた戦力である証

レイカーズとジャレッド・バンダービルトは4年4800万ドル(約65億円)の契約延長で合意したと、バンダービルトのエージェントが発表した。

バンダービルトはNBAキャリア5年目の24歳。2018年のNBAドラフトでは2巡目指名と注目度は低く、5年目のシーズンを前にルディ・ゴベアとのトレードに組み込まれてジャズへと移り、そのシーズン途中にレイカーズ行きが決まった際も、ラッセル・ウェストブルックとディアンジェロ・ラッセルのトレードに付随した戦力、という雰囲気だった。それでもチームの好不調の波に影響されず、ディフェンスを軸に安定した貢献のできるバンダービルトは、レブロン・ジェームズを始めとするスターを支える戦力としてレイカーズ向き。八村塁も含めたトレードデッドライン近辺の補強が効いたことで、レイカーズは今後への期待を持って昨シーズンを終えることができた。

サラリーキャップが常に厳しいレイカーズにとって決して簡単に提示できる額ではないだけに、このオファーはバンダービルトが高く評価されていることを示している。また4年契約は『レブロン以後』も見据えた戦力として彼を計算していることの証でもある。

サイズとウイングスパン、粘り強いフットワーク、高いバスケIQを持ち、スイッチとローテーションのミスはほとんどない。簡単にファウルをせずに、相手を止められなくても思うようなプレーはさせずにストレスを与え、リズムを乱す。ティンバーウルブズでもバンダービルトと一緒にプレーしていたラッセルは「彼は静かな男だけど、デニス・ロッドマンばりのアツい選手だ」と彼を評している。

高校と大学ではケガを繰り返し、中途半端なプレーに終始していたという。スマートにプレーして得点を取るスモールフォワード、というのが当時の立ち位置だった。身体が出来上がってケアも怠らなかったことでケガの連鎖を断ち切ると、プレースタイルは次第に今のものに変化していった。

彼はかつて『The Athletic』のインタビューにこう答えている。「ロッドマンがお気に入りだったわけじゃない。でも、NBAでプレーするようになってから、僕の役割は彼のやっていたことを追うようになった。今はそれこそが本物のバスケ選手だと思うようになっている」