「彼と過ごす数日間の内に何かを学ぶことができれば、それはとても幸せなことだ」
バックスのヤニス・アデトクンボは、現在世界最高のバスケットボール選手の1人である。2度のNBAシーズンMVPに輝いているアデトクンボは213cmの長身ながら、ガードの選手並みのクイックネス、跳躍力を誇り、その圧倒的な身体能力から繰り出す豪快なアタックで試合を支配し続けている。まだ28歳と若く、これから全盛期を迎えることが期待される彼が、さらなる進化に向け貪欲な姿勢を示している。
ポッドキャスト番組『48 Minutes』に出演したアデトクンボは、殿堂入りの名センター、アキーム・オラジュワンのもとを訪れワークアウトを行う計画を明かした。「トレーニングキャンプに向けて、ヒューストンに行きオラジュワンとワークアウトをするつもりだ。僕は彼のプレーが好きなんだ。彼と過ごす数日間の内に何かを学ぶことができれば、それはとても幸せなことだ」
オラジュワンはNBAの歴史に残るビッグマンだ。1984年のプロ入りから2002年に引退するまで現役18年間の内、最終年を除く17シーズンをロケッツで過ごし、キャリア通算で1238試合出場、平均21.8得点、11.1リバウンド、3.1ブロックを記録。1994年、95年とロケッツをNBA連覇に導き、1993-94年にシーズンMVP、92-93年と93-94年に守備MVPを受賞している。
また、ルーツをナイジェリアに持つアデトクンボは、ナイジェリア出身のオラジュワンは昔からの憧れの存在だったと明かす。「オラジュワンは、僕がこれまでずっと尊敬している人物だ。彼はナイジェリアでNo.1の選手であり、僕の両親もずっと尊敬している。彼はナイジェリアだけでなく、アフリカで一番のアスリートだ」
NBA屈指のリムプロテクターであったオラジュワンだが、それ以上にファンの記憶に残っているのは“ドリームシェイク”と評された華麗なステップワークで相手ディフェンスを次々とかわし、得点を量産する姿だ。NBA最高の技巧派センターを呼べるオラジュワンのスタイルと、パワーとスピードで相手を粉砕するアデトクンボのスタイルは真逆と呼べるもの。だからこそ、アテドクンボがさらなる進化を求め、オラジュワンに弟子入りするのはこれ以上ない選択だ。アテドクンボにオラジュワンのような巧さが加わる姿を、バックス以外のNBAチーム関係者は想像すらしたくないだろう。