ブルース・ブラウンとジェフ・グリーン「僕があの2人の穴を埋める」

レジー・ジャクソンは昨シーズン途中にメイソン・プラムリーとのトレードで3シーズン半所属したクリッパーズを離れ、ホーネッツを経てナゲッツと契約を結んだ。その数カ月後、NBAキャリア12年目にして初の優勝が彼の手に転がり込んだ。

ナゲッツで過ごした3カ月半が万事上手くいったわけではない。数字上ではあらゆるスタッツをクリッパーズ時代から落としており、特にプレーオフではほとんど出番がなかった。クリッパーズではプレーオフのような大舞台でこそ仕事のできる選手と認められていたが、ナゲッツではその高度なチームバスケにフィットするのが間に合わず、『脇役』のままファイナルまでを過ごした。

彼はただ喜ぶわけでも悔しがるわけでもなく、事実をただ受け止めて新しいシーズンを迎えようとしている。契約はあと2年残っており、周囲の信頼を勝ち取って結果を出すには十分な期間がある。オフを経てデンバーに戻って来た彼は、新たな自身の役割についてこう語った。「ブルースとジェフの退団はチームにとって大きい。素晴らしい戦力でありリーダーだった。このチームにはリーグ最高のスターターがいるけど、僕があの2人の穴を埋めなきゃならないと思っている」

ナゲッツとしては優勝メンバー全員を残すのが理想だったが、ブルース・ブラウンとジェフ・グリーンを残留させることはできなかった。ジャクソンはこの2人とポジションが異なるが、ベンチからの得点力とリーダーシップという役割を補うつもりでいる。

「ナゲッツには良い若手がたくさんいる。僕の仕事はコートに立った時に若手を引っ張り、チームを安定させること。スターターが作った良い流れをセカンドユニットが継続させられるようにしなきゃいけない」

ベンチで過ごしたプレーオフ、彼は主力でなくてもロッカールームの雰囲気を壊さず、メインの選手を助けられる自己犠牲精神があることを示した。だが、新シーズンはコート上でも自分らしい役割を演じるつもりだ。33歳になったが、彼は「まだ6年目か7年目に感じるよ」と言う。

「ベテランになっての収穫は、月日はあっという間に流れると知ったことだ。それで一日一日を大事に過ごさなきゃいけないと思えるようになった。僕はこれからも毎日、自分のベストを尽くしていくよ」

ブルース・ブラウンとジェフ・グリーンの抜けた穴は大きい。それでも新シーズンが始まれば、ジャクソンがステップアップしてその穴を埋めるはずだ。ジャマール・マレーとは同じスコアリングガードでもプレースタイルは大きく異なる。2人のポイントガードがそれぞれ違った形でチームを引っ張ることが、ナゲッツの新たな強みになりそうだ。