シュルーダー

全8試合に出場し19.1得点、6.1アシストを記録してチームを牽引

9月10日、ワールドカップの決勝戦でドイツ代表とセルビア代表が激突。前半を終えて47-47の同点とまったくの互角だったが、ドイツはデニス・シュルーダーが第3クォーターだけで10得点を固め、失点をわずか10に抑える好ディフェンスを見せて抜け出した。その後、ジワジワと追い上げられ、最終クォーター残り39秒には2点差と肉薄されたが、シュルーダーが高速レイアップを沈めて反撃を断ち切り、83-77の激闘を制した。

シュルーダーはこの試合で両チーム最長の33分52秒プレーし、ゲームハイの28得点を記録。また、大会を通じて平均28.6分出場し19.1得点、2.0リバウンド、6.1アシストを挙げ、大会MVPも受賞した。優勝の立役者となった彼は、偉業達成の喜びをこのように噛みしめた。

「ここまでとにかく長かった。10年以上かかったかな。だけど去年のユーロバスケットで銅メダルを獲得して、今回は8戦全勝で優勝できた。信じられないチームだよ。僕らは7月末に始動し、コーチは素晴らしい仕事をして僕たちをまとめてくれた。全員が成功のためにベストを尽くした。すべての練習、すべての試合でこの最高レベルでの挑戦を楽しんできた。それが優勝できた理由だと思う。NBAを含めたバスケの歴史的に見ても、史上最高の瞬間だと思う」

今回のワールドカップでシュルーダーは様々な経験をした。大会前には昨年のユーロバスケットに参加しなかったマキシ・クレーバーを批判し、結果的に彼が代表を辞退する要因となった。セカンドラウンドのスロベニア戦では、タイムアウト中にダニエル・タイス、指揮官ゴードン・ハーバートと口論する場面もあった。そして、81-79で辛勝した準々決勝のラトビア戦では8本の3ポイントシュートをすべて外し、フィールドゴール成功率15.4%の9得点と精彩を欠き、危うく戦犯になりかけた。それでも、代表への愛情を示し、キャプテンとして、リーダーとしてチームを引っ張り続けてドイツに栄光をもたらした。シュルーダーは、優勝できた理由に団結力を挙げた。

「沖縄だったと思うけど、チームミーティングでコーチがみんなに何を成し遂げたいのかを聞いた。みんな『メダルを獲得したい』と言ったけど、僕は最後に『チームとして団結したい』と答えたんだ。全員が動いて、全員がボールに触れて、チームとしてディフェンスする。そうやって僕らは優勝を勝ち取ったんだ」

このようにチーム一丸の勝利を強調するシュルーダーは、最後に国内でのバスケ地位を向上させたいと願った。「僕の願いは素晴らしい競技であるバスケと、僕たちがよりリスペクトされることだ。ヨーロッパの大会も来年のパリもみんなテレビで見るようになってほしい。10年前の代表にはダーク・ノビツキーがいたけど、それ以外にどんな選手がいるかなんて誰も知らなかった。でも僕らはフィリピンでも沖縄でも大人気だった。ドイツ国内で、僕たちが国を代表してプレーしていることに敬意を払ってほしい」