セルビア代表

「ただお互いに楽しみ、良いプレーを心掛けた」

セルビア代表はカナダとの準決勝を95-86で制し、ワールドカップのファイナル進出を果たした。ボグダン・ボグダノビッチが23得点、ニコラ・ミルティノフとオグニェン・ドブリッチが16得点を挙げたセルビアは、チームとしてフィールドゴール58本中36本成功、62.1%はカナダの48.2%を大きく上回った。

カナダはファウルトラブルに足を引っ張られた。第1クォーターからシェイ・ギルジャス・アレクサンダーにドワイト・パウエル、ディロン・ブルックスと主力が次々とファウルトラブルに。

ブルックスとケリー・オリニクが第3クォーターに個人4つ目のファウルを犯し、激しいディフェンスがやりづらくなったカナダに対し、セルビアはペリメーターからのシュートを果敢に放っては決めていく。ゴール下でも本来のプレーの強度を出せず、セルビアはここを的確に突いていった。

中には微妙なジャッジもあったが、カナダの指揮官ジョルディ・フェルナンデスは「セルビアが素晴らしい試合をしたんだ。ハードに、そしてフィジカルに戦った。審判に伝えたいのは『ありがとう』の言葉だけ。彼ら抜きでは試合ができない」と、潔く負けを受け入れた。

ニコラ・ヨキッチが代表参加を断念したことで大会前の評価が低かったセルビアだが、フィリップ・ペトルセフは「過小評価は気にしていなかった。ただお互いに楽しみ、良いプレーを心掛けた。これだけ素晴らしい選手が集まれば、何かが起こせると信じてきた」と言う。

大会中にはボリサ・シマニッチが相手選手との接触から腎臓を失うアクシデントに見舞われ、現在もチームを離れてマニラの病院に入院している。マルコ・グドゥリッチは「この勝利を彼に捧げたい。メダルを獲得したと知れば、彼の気分も少しは良くなるだろうからね」と語る。

シマニッチにメダルを渡せるのは確定した。あとはその色が金になるか銀になるか。グドゥリッチは言う。「僕たちは決してあきらめない。それは僕たちの血に流れているものだ。このユニフォームを着て自分たちの国を代表することは、他の何にも代えられない。ファイナル進出は大きな名誉なんだ」