ヤゴ・サントス

それまで10アシスト、残り1分半から『アタックモード』で試合を決める

69-65。ブラジル代表がカナダに競り勝ったのは、徹底してロースコアのゲームに持ち込むプランがハマったことが大きい。ペースを遅くし、ディフェンスとリバウンドに注力して、個人能力がモノを言いがちなオフェンス力の差を消す。リバウンドで43-37と上回り、カナダのアシスト10に対してターンオーバー9を引き出した。

こうしてビハインドを背負ってもカナダを射程圏内にとらえ続け、自分たちのシュートに当たりが来るまで我慢した。その時は第3クォーターの最後にやってきた。リバウンドから走り、ヤゴ・サントスのアシストからルーカス・ディアスのブザースリーが決まる。第4クォーター開始から8-0のランで53-52と逆転し、ここから一進一退の攻防に。ラスト1分半で60-60の同点だったが、そこまでで10アシストを記録していた司令塔のヤゴ・サントスが突如としてアタックモードに入り、ジャンプシュートにレイアップとクラッチショット連発でカナダを振り切った。

ワールドカップでもNBAの影響力は大きく、NBAプレーヤーの数とNBAでの知名度がチームの前評判に繋がる。ブラジルには現役NBAプレーヤーはおらず、一番のビッグネームは2020-21シーズンにロケッツでわずかにプレーしたのが最後のブルーノ・カボクロ。そのカボクロが19得点13リバウンドと攻守に奮闘し、23得点のシェイ・ギルジャス・アレクサンダーとのエース対決で引けを取らなかった。

そして何と言っても目立ったのはヤゴ・サントスだ。24歳、178cmの小さなポイントガードは、8得点10アシストを記録。ブルズの一員としてサマーリーグに参加したことはあるが、サントスにとってNBAはまだ夢の舞台だ。

ゲームプランを信じてハードワークを徹底する。これがブラジルに大きな1勝をもたらした。一方でカナダにとっては予想外の黒星。ケガから復帰して17得点5リバウンドを記録したルグエンツ・ドートは「相手の方がよく準備していた。でも彼らを称えるべき試合だ」と語る。

その代償は大きい。この日、グループLではブラジルだけでなくラトビアもスペインを撃破するアップセットを起こし、4チームが3勝1敗で並んだ。有利と見られたカナダとスペインは、2次リーグ最終戦で直接対決し、勝たなければ大会を去ることになる。