「誰もが自分自身に向き合うしかない。バスケに立ち戻るんだ」
ベン・シモンズは2021-22シーズンを全休し、昨シーズンはネッツで前半戦こそプレーしたものの、本調子を取り戻せなかった。2月にケビン・デュラントとカイリー・アービングが去った直後の試合で、シモンズはチームを牽引する意欲を見せたものの、トレードで大きく様変わりしたチームにあって控えに転落。このタイミングで腰の状態を悪化させ、早々にシーズンを終えた。
古巣のセブンティシクサーズを離れる際に大きな批判を浴びたこと。オールスターの実力を取り戻せないことで、シモンズは大きな批判を浴び続けている。オーストラリア代表に参加しなかったことも、母国のファンを失望させた。
昨シーズンの一番悪い時期には腰のヘルニアだけでなく左膝も痛め、バスケをする以前に日常生活にも支障があった。しかし今は、NBAの新シーズンでの復活に向けて自分を鍛え続けている。『ANDSCAPE』の取材に応じたシモンズは、長らく苦しんだ腰のヘルニアが完治し、毎日5時間から6時間のトレーニングを行っていることを明かし、「自分を正しい場所に導いてくれる人が周りにいて、この2年間で最も良い気分で練習できている」と語る。
メディアやファンに多くの批判を投げかけられる中、ケガの状況を説明しなかったことについて「人はいつだって憶測で好き勝手なことを言う。僕が何を言おうが、何を見せようが、また別のことを言うんだ。結局のところ僕にとって大事なのは、自分自身の成長を助けてくれる人たちと一緒にいることなんだ」と言う。
批判は気にしていない。「ジャンプもできない時に『ダンクしろ!』と言われるのは嫌だったよ。『何を言ってるんだ?』と思った。プレーで黙らすことができなくてイライラしたよ。でも、そんな人たちと話すつもりはない。彼らと一緒に食事をすることはないんだから、腹を立てる必要もない。誰もが自分自身に向き合うしかない。それが人生だ。僕は自分の好きなことを上手くやってきたと思う。バスケに立ち戻るんだ」
今の彼はコンディションが次第に良くなっているのを感じ、少しずつ自信を取り戻している。「身体的には今が一番良いかもしれない。体幹を鍛えるエクササイズは毎日やっていて、身体の使い方を正しく調整できるようになった。そういう意味ではワクワクしている。ここまでたくさんトレーニングをしてきたし、今の自分の状態も分かっている。トレーニングキャンプまであと1カ月、それまでの毎日を自分を向上させるチャンスだととらえている」
復活のイメージはできている。オールスターのポイントガード、それが彼自身の考えるベン・シモンズのあるべき姿だ。昨シーズンはスモールラインナップのセンターとしてプレーすることもあったが「僕はポイントガードだ」と彼は言う。「ああしろ、こうしろとみんな言うけど、僕がオールスターレベルでプレーしていた時は誰も何も言わなかった」
「僕の言うことが正しいかどうかは、これから分かる。ケガが治り、すべてが上手く行き、良いリズムに乗れれば、僕は何だってできると思う」