ドミニカ共和国代表

アップセットを起こし続けてきたメンタリティに注目

ワールドカップの抽選会が行われた時点では、日本が強豪国に囲まれたグループリーグになったのに対し、同じ開催国のフィリピンは楽なグループに入ったと考えられていました。しかし、その図式はドミニカ共和国にカール・アンソニー・タウンズが加わることとなり、大きく変化しました。今大会最高のセンターが勝利をもたらすことが出来るかが注目されます。

急遽チームに加わることになったとはいえ、インサイドでもアウトサイドでもプレーできるタウンズは、様々な形でオフェンスに絡むことができるだけに、違和感なく機能するでしょう。また、NBAとのルールの違いもあってリムプロテクターの重要度は高まるため、ディフェンスの安定感は大きく向上するはずです。

タウンズがいなかった予選でもドミニカはアルゼンチンに連勝してワールドカップ出場を決めており、中南米らしくサイズはなくともフィジカルに戦い、ハードに戦ってくる侮れないチームです。37歳のビクトル・リズが平均15.7得点でリーディングスコアラーになった以外は、10得点前後の選手が6人もいて、アシストも3本前後の選手が5人と、どこからでも得点を取れるバランスが持ち味です。

身長が200cmを超える選手は少なく、全体的なサイズのアドバンテージはないものの、強いフィジカルと粘りのオフェンスリバウンドにも特徴があり、攻守の際で強さを発揮してきます。前回大会ではターンオーバーが多く粗い内容ながら、ハードワークで取り返してドイツを破るアップセットを起こしました。メンタリティの強さもドミニカの強さなのです。

大会直前の強化試合ではカナダから勝利を挙げてもいます。ハードに戦う集団にNBAのスーパースターが加わることでどのような化学反応が起きるのか、非常に楽しみなチームになりました。地元の大声援に後押しされるフィリピンが初戦の相手ですが、アップセットを起こし続けてきたドミニカのメンタリティにとっては、むしろ好都合な相手かもしれません。