「悪いシーズンに20得点超えだから、次のシーズンは25得点も狙える」
ジョーダン・プールはウォリアーズの未来を担う次期エースとして大きな期待を寄せられ、昨年夏には大型契約を勝ち取ったが、ドレイモンド・グリーンと練習中に衝突し、殴られた事件から歯車が狂い始めた。手を出したグリーンに非があるのは間違いないが、ウォリアーズ首脳陣はグリーンの実績をリスペクトし、大きな処分を下さなかった。シーズンが始まると、プールの調子が上がらない一方で、グリーンはディフェンスの要として、そしてプレーメーカーとして存在感を発揮。気付けばプールにとってウォリアーズは居心地の良い場所ではなくなっていた。
キャリアベストの平均20.4得点を奪ったものの、ディフェンスの難や好不調の波が激しい弱点を指摘され、プレーオフでは存在感を失った。そしてシーズンが終了すると、トレードでウィザーズに放出された。
ウィザーズはブラッドリー・ビールを放出し、再建をスタートさせたところ。常勝チームのウォリアーズからそのチームに移ることは、彼のキャリアを大きく後退させることになる。新天地での彼は「どのような状況、どのような役割でもやり遂げる、それが僕なりのプライドだ」と語っているが、彼はここから這い上がらなければいけない。
そんなプールについて、『Gil’s Arena』に出演した大ベテランのアンドレ・イグダーラがコメントしている。「彼にとっては厳しいシーズンだったけど、平均得点は20を超えている。悪いシーズンに20得点超えだから、次のシーズンは25得点、その上も目指せる」
ウォリアーズの全員がプールに反感を持ったわけではなく、むしろ応援しているとイグダーラは主張する。ウィザーズへの移籍が決まった後、彼はチームを離れるプールに、「自分のチームを持つことになったんだから成長しろ。『チームの顔』としての責任を果たせ」と激励し、今もしばしば連絡を取り合っているそうだ。
最近の会話からは、プールが新天地のチームメートを誘ってワークアウトを行っていること、その一人ひとりをよく知っていることが分かるそうだ。「彼は大丈夫、正しい道を歩み始めた」とイグダーラは言う。
イグダーラは若いプールに多くのアドバイスを送り、一緒にプレーした4シーズンを通じてリーダーがどうあるべきかを示し続けた。ウォリアーズでは若いプールがリーダーシップを発揮する必要はなかったが、これからは違う。プールが見せる変化を、イグダーラは大いに楽しみにしている。