ここ2年間でわずか46試合出場「とにかく僕はバスケットボールがしたい」

4年前の今、ケンバ・ウォーカーは若手が揃うアメリカ代表のリーダーとしてワールドカップに臨む直前だった。だが2018-19シーズンにホーネッツで82試合出場、平均25.6得点、5.9アシストを記録したのがピークで、セルティックスに移籍した翌年以降は故障もあって徐々に成績が下降していく。そして昨シーズンはマーベリックスでわずか9試合出場にとどまっている。

このまま引退するのではないか、という憶測も上がる中、ウォーカーが新天地に選んだのはNBAではなくフランスのASモナコだ。元NBA選手がヨーロッパに渡ることは珍しくないが、それでもオールスター4度選出を誇り、NBA通算で750試合、平均19.3得点、5.3アシストを残したウォーカーのようなトップレベルの経歴の持ち主がヨーロッパにくるのは異例のことだ。

国内リーグだけでなく、欧州最高峰の舞台であるユーローリーグ王者に導くことが期待されるウォーカーは、『eurohoop.net』の取材に対し、このように意気込みを語る。「ユーローリーグの知名度を上げる手助けができればと思っている。プレースタイルを向上させ、それを積み上げていきたいんだ」

過去2シーズンで、わずか46試合出場に終わっていたウォーカーは、プレーへの渇望を明かす。「(モナコ加入は)大きなステップだ。とにかく僕はバスケットボールがしたい。モナコより良い場所があると思わない。とても楽しい時間になるだろうね」

また、初のアメリカ国外でのプレーを「これまでと違う環境で身を置くことは楽しみだ。チームメイト、メディカルスタッフ、コーチングスタッフとみんなから学んでいる」と好意的に捉えている。

ここ数年、急激に出場機会を減らしたウォーカーだが、まだ32歳と老け込む年齢ではない。しかし、長期に渡る海外での暮らしに加え、NBAとFIBAルールの欧州バスケではスタイル自体も大きく異なり、順応するのは簡単なことではない。だが、ウォーカーは「バスケットボールはバスケットボールだよ。僕はここに勝つためにいるんだ」とシンプルに考えている。

異国の地で復活となるか。ウォーカーのプレーには、アメリカ国内のバスケファンも注目するだろう。だからこそ彼が活躍すれば、自身の目指すユーローリーグの知名度向上に自然と繋がっていくはずだ。