メキシコ代表

予選を通して同じメンバーで戦い、ハーフコートでの構成力が光る

ワールドカップのアメリカ大陸予選が始まって早々に、メキシコがアメリカを倒す波乱が起きました。オーランド・メンデスの7本を筆頭に、チームで17本の3ポイントシュートを決め、97-88と打ち合いの展開を制しての金星でした。最終的にこの勝利がなければメキシコは予選を突破できなかっただけに、極めて大きな1勝でした。

メキシコは予選を通して38%という3ポイントシュート成功率の高さを武器にしたオフェンス力で、ハイスコアの展開を制してきました。しかし、ハイペースでガンガン仕掛けるスタイルではなく、人とボールを動かしながらディフェンスの穴を確実に突いてオープンショットを放っており、ベテラン揃いのチームらしくハーフコートでの構成力が光りました。

6人の選手が予選の11試合以上でプレーしており、チームとしての完成度が高いのが特徴ですが、突出した個人技があるわけではなく、個の破壊力で勝負するのは難しそうです。また最も多くのリバウンドを取ったのが198cmのファビアン・ハイメスとサイズもありません。それでもメキシコらしいチーム戦術とチーム全体のハードワークを基盤に、接戦を勝ち切るたくましさを持っています。

今大会はリトアニアとモンテネグロ、エジプトのグループに入りました。NBAのスター選手はいても、個人技よりも組織力で戦うチームが揃っており、予選を通して同じメンバーで戦ってきたメキシコにとっては負けたくない相手です。初戦のモンテネグロ戦に照準を合わせ、アップセットを起こしたいところです。

メキシコのFIBAランキングは31位で、同じ中南米のプエルトリコやドミニカ共和国よりも下ですが、チームの完成度は高く、統率の取れたバスケットが持ち味です。組み合わせにも恵まれただけに、上位進出のチャンスがある大会になります。