オースティン・リーブス

「彼はどんなラインナップにおいてもチームを高めることができる選手だ」

男子アメリカ代表は、現地8月7日にプエルトリコ代表とワールドカップ2023に向けた強化試合を行い117-74と快勝した。前回7位に終わった雪辱を果たしての王座奪還を狙うアメリカ代表のメンバーは代表経験の乏しい若手が中心となるが、NBAでの実績でいえば4年前に比べると確実にグレードアップしている。

伸び盛りの若手も目立つアメリカ代表だが、その中でも練習、実戦を通して着実に評価を高めている1人がレイカーズのオースティン・リーブスだ。プエルトリコ戦でも9得点4リバウンド4アシストを記録。3ポイントシュートにゴール下への鋭いドライブ、そして巧みなアシストと多彩なスキルを見せつけた。

今回の代表メンバーを見ると所属チームで司令塔を務めているのはジェイレン・ブランソン、タイリース・ハリバートンの2人のみ。ボールプッシュを難なくこなせるハンドラーが複数いるため、司令塔の少なさが懸念材料とはならないが、ブランソン、ハリバートンのどちらかに故障があった時など、緊急事態への備えは必要だ。その役割を担いそうなのがリーブスで、強化合宿でのスクリーメージでポイントガードをこなす姿が見られている。

アメリカ代表のスティーブ・カーヘッドコーチは、「彼はコネクターなんだ」とリーブスの器用さ、適応力の高さを賞賛する。「彼はどんなポジションにもフィットする。これこそオースティンの素晴らしいところだ。彼はフィジカルでシュートを打てるし、パスも出せる。彼はどんなラインナップにおいてもチームを高めることができる選手だ」

「視野が広く、察知能力や試合に対する理解力が高い。ボールを正しい場所にセットし、正しいカットをする。コネクターはそういうプレーをする選手で、理にかなった動きをしてオープンショットを打てるようにしてくれる」

全員がNBA選手のアメリカ代表は、当然のように初めて一緒にプレーする選手も多い急造チームだ。純粋なタレント力ではNo.1だが、個人技のゴリ押しだけで勝てないのは前回大会が証明している。いかにケミストリーを作りだしていくかが王座奪還への最大の鍵となるアメリカにおいて、チームの潤滑油となれるコネクターのリーブスの存在は大きな助けになりそうだ。